昭和歌謡大全集

 まず、題名と内容のギャップに驚きました。原作などを知らなければ題名からこの映画の内容を想像することなど全くできません。映倫のR-15指定でもあります。確かに昭和の歌謡曲がいくつも使われているのは事実です。豪華キャスト陣が歌っています。松田龍平が歌うシーンでは、初めて彼のカリスマ性をちょっと感じることもできました。

 しかし、映画のテーマは、歌謡曲とはあまり関係なく、殺し合いです。若い男たちのグループと離婚歴のあるおばさんたちのグループの復讐のし合いなのです。残忍なシーンもふんだんにあります。そしてエスカレートしていきます。大した娯楽映画といえるでしょう。殺し合いを描いた『バトル・ロワイアル』や、主婦たちによる死体切断シーンがあった『OUT』を思い出しました。

 ロケは関東周辺のようですが、その中で山中湖畔の「湖畔の宿」という宿の前から背景に富士山がうっすらと映っていました。

 使用されていた曲は、昭和20年代から昭和60年代まで幅広く、「星の流れに」、「恋の季節」、「チャンチキおけさ」、「白い蝶のサンバ」、「SWEET MEMORIES」などがあり、エンディングは「また逢う日まで」でした。

評価:68点

【監督】篠原哲雄
【製作】鈴木光(すずき ひかる)
【脚本】大森寿美男(おおもり すみお)
 『星になった少年 Shining Boy & Little Randy』などの脚本も担当しています。
【原作】村上龍(むらかみ りゅう) 『昭和歌謡大全集』(幻冬舎文庫刊)
 『69 sixty nine シクスティナイン』などの原作も映画化されています。
【撮影】 高瀬比呂志
 『ゆれる』などの撮影も担当しています。
【音楽】池頼広(いけ よしひろ)
 『ドラゴンヘッド』などの音楽も担当しています。
【出演】
 松田龍平(イシハラ役)、
 樋口可南子(スズキ ミドリ役)(『阿弥陀堂だより』などにも出演しています)、
 市川実和子(女子寮に住む短大生 スガコ役)、
 原田芳雄(トカレフを売る金物屋の店主役)(『美しい夏キリシマ』などにも出演しています)、
 古田新太(ふるた あらた)(元自衛官 サカグチ役)(『解夏』などにも出演しています)、
 岸本加世子(ヘンミ ミドリ役)、
 森尾由美(タケウチ ミドリ役)、
 細川ふみえ(トミヤマ ミドリ役)、
 安藤政信(ナイフを持ち歩く スギオカ役)(『RED SHADOW 赤影』などにも出演しています)、
 池内博之(ノブエ役)、
 斉藤陽一郎(ヤノ役)(『弟切草』などにも出演しています)、
 鈴木砂羽(すずき さわ)(こめかみを撃たれる イワタ ミドリ役)、
 内田春菊(ナイフで喉を切られる ヤナギモト ミドリ役)、
 村田充(むらた みつる)(スギヤマ役)(『Returner リターナー』などにも出演しています)、
 近藤公園(こんどう こうえん)(カトウ役)(『隠し剣 鬼の爪』などにも出演しています)、
 ミッキー・カーチス(自転車屋の主人役)、
 寺田農(刑事役)、
 木下ほうか(バスの運転手役)

【上映時間】1時間52分
2003年作品

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