白い蟲が空中を浮遊する映像はいかにも合成ですが、土砂崩れのシーンは、かなりリアルというか、作りこまれていて出来の良さを感じました。
蟲師とは、「蟲」にとりつかれた人を治癒させることができる人たちのことのようです。独特の雰囲気はありますが、全体的に退屈でストーリーの進展も遅く、聴き取りづらいセリフもあり、眠気に襲われてしまいます。この雰囲気と退屈さは以前に見た坂東玉三郎主演の『夜叉ケ池』を思い出してしまいました。
みどころは、キャストでしょうか。白髪のオダギリジョーはビジュアル的にはクールで格好いいです。ただし、行動はそれほどクールではありませんでしたが。江角マキコや蒼井優も観ることができます。『ヴァイブレータ VIBRATOR』などに出演していた大森南朋も活躍していました。
序盤の雪の里は富山県の五箇山集落でしょうか。オフィシャルサイトのロケ地マップでは白川郷しか載っていませんので、違うかもしれません。中盤では「ふたかみの峠」という名称がセリフの中にありました。後半には伊吹北尾根のシーンがありました。伊吹山ドライブウェイから静馬ヶ原を隔てて御座峰に続く北尾根方面を見ると山腹にほぼ真っ直ぐ延びる登山道があります。その印象的な風景が映っていて、すぐに北尾根だと気づきました。
滋賀ロケーションオフィスをはじめ、滋賀や京都の大学ワンダーフォーゲル部などのロケ協力があったようで、伊吹山など、滋賀県でのロケが多かったようです。石灰岩の上で地図を見ているシーンは伊吹山のようです。虹が現れる沼はダム湖の跡らしく、甲賀市の岩尾山だそうです。他では、富士の樹海や白山林道などでロケが行われたようです。
評価：４７点
【監督】大友克洋（おおとも かつひろ）
【脚本】大友克洋、村井さだゆき
【原作】漆原友紀（うるしばら ゆき） 「蟲師」（講談社『アフタヌーン』連載）
【撮影】柴主高秀（しばす たかひで）
『解夏』、『スウィングガールズ』などの撮影も担当しています。
【音楽】蓜島邦明（はいしま くにあき）
【出演】
オダギリジョー（蟲師（むしし） ギンコ役）（『ゆれる』、『あずみ』などにも出演しています）、
江角マキコ（えすみ まきこ）（ぬい役）、
大森南朋（おおもり なお）（虹郎（こうろう）役）、
蒼井優（あおい ゆう）（狩房（かりぶさ）家の淡幽（たんゆう）役）（『フラガール』などにも出演しています）、
李麗仙（り れいせん）（狩房家のたま役）、
クノ真季子（真火の母役）、
りりィ（庄屋夫人役）（『さよなら、クロ』、『折り梅』などにも出演しています）、
守山玲愛（もりやま れいあ）（少女 真火（まほ）役）、
稲田英幸（いなだ ひでゆき）（少年 ヨキ役）、
沼田爆（ぬまた ばく）（ぬいの亭主役）、
大高洋夫（ぬいの元亭主役）、
りんたろう（庄屋主人役）、
榊英雄（庄屋の倅（真火の父）役）、
梅沢昌代（庄屋の女中頭役）、
田口主将（たぐち かずまさ）（作次役）、
六角慎司（牧野役）、
井上佳子(女中 竹役）、
田鍋謙一郎（芝山の文蔵役）、
麻田真夕（ヨキの母役）
【上映時間】２時間１１分
【製作】東北新社、バンダイネットワークス、東芝エンタテインメント、ピラミッドフィルム、Yahoo! JAPAN、東急レクリエーション、小椋事務所
【ロケ協力】滋賀ロケーションオフィス、財団法人ウッディパル余呉、滋賀県余呉町教育委員会、釈迦山百済寺、社団法人朽木観光協会、菅山寺保存会、社団法人安曇川町観光協会、滋賀酒造、京都精華大学ワンダーフォーゲル部、高島観光協会、滋賀大学ワンダーフォーゲル部、北日本リース、滋賀医科大学ワンダーフォーゲル部、京都大学フィールド科学教育研究センター芦生研究林、大津市立葛川少年自然の家、富士・東部林務環境事務所、国指定重要文化財 桑原邸、白山スーパー林道 岐阜・石川管理事務所、岐阜県白川村役場産業課、飛騨民族村 飛騨の里、白川郷 野外博物館合掌造り民家園、彦根キャッスルホテル、新穂高ロープウェイ、グリーンパーク想い出の森、ひこねステーションホテル、ペンション ルシアン、長浜ロイヤルホテル、白浜荘、国富マリンセンター、滋賀県のみなさま
２００６年作品
【公式サイト】http://www.mushishi-movie.jp/
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