スウィングガールズ 監督・脚本は『ウォーターボーイズ』の矢口史靖。『ウォーターボーイズ』が良かったから期待も膨らむ。ただ、さすがに『ウォーターボーイズ』にはかなわないだろうとも思っていた。そして、結果はまあまあ。『ウォーターボーイズ』ほどではないにしろ、それなりによくできた映画だと思います。
短く感じましたが、１０５分ありました。やや短いのでしょうが、『ウォーターボーイズ』の９１分より長いのは意外。終わり方がひねりもなくすんなり終わるからそう感じたのかもしれません。
舞台は里山が目の前に迫る東北の高校。高校野球地方予選の応援としてブラスバンド部が集団食中毒になり、その代わりを務めることになった夏休みの補習クラスの女子生徒たちがやることになるのはビッグバンドジャズ。これなら集まった１７人でも可能なのだという。しかし音も出せない素人には、心肺機能強化のための体力作りから始めないといけない。そして何とか音も出せるようになるのだが・・・。そこから二転三転。
メンバー全員が４ヶ月にわたる猛特訓を受け、吹き替えなしの演奏をするのである。女性のジャズバンドも珍しいが、映画後に出演者が実際にジャズ演奏をするなど、話題も豊富だった。
ロケ地は米沢周辺。赤湯〜荒砥間のフラワー長井線のある田舎が舞台なので、それなりに山のある風景も出てくるが、その中でも松茸採りに出かけ、猪に追いかけられるシーンがあった。それが３Ｄ静止画像（ただし微妙に動く）なのである。これがなかなか効果的に見えた。ただ、製作費の節約かもしれないとも思ってしまいましたが。
２００４年日本アカデミー賞脚本賞、音楽賞、録音賞、編集賞受賞。
評価：７３点
【監督・脚本】矢口史靖
【脚本協力】矢口純子
【撮影】柴主高秀
【音楽】ミッキー吉野、岸本ひろし
【JAZZ NUMBER】「シング・シング・シング」、「Ａ列車で行こう」、「故郷の空」、「ムーンライト・セレナーデ」、「メイク・ハー・マイン」、「この素晴らしき世界」、「イン・ザ・ムード」、「メキシカン・フライヤー」、「Ｌ−Ｏ−Ｖ−Ｅ」
【編集】宮島竜治
【録音】郡弘道
【出演】
上野樹里（テナーサックス担当 鈴木友子役）、
平岡祐太（ピアノ担当 中村拓雄役）、
本仮屋（もとかりや）ユイカ（トロンボーン担当 関口香織役）、
白石美帆（音楽教師 伊丹弥生役）、
竹中直人（数学教師 小澤忠彦役）、
水田芙美子（ベース担当 山本由香役）、
関根香菜（ギター担当 渡辺弘美役）、
貫地谷（かんじや）しほり（トランペット担当 斉藤良江役）、
豊島由佳梨（ドラム担当 田中直美役）、
あすか（アルトサックス担当 久保千佳役）、
中村知世（アルトサックス担当 岡村恵子役）、
根本直枝（テナーサックス担当 大津明美役）、
松田まどか（バリトンサックス担当 清水弓子役）、
辰巳奈都子（トロンボーン担当 小林陽子役）、
中沢なつき（トロンボーン担当 木下美保役）、
前原絵理（トロンボーン担当 吉田加世役）、
長嶋美紗（トランペット担当 宮崎美郷役）、
あべなぎさ（トランペット担当 下田玲子役）、
金崎睦美（トランペット担当 石川理絵役）、
小日向文世（友子の父 鈴木泰三役）、
渡辺えり子（友子の母 鈴木早苗役）、
谷啓（音楽の先生 森下役）、
桜むつ子（友子の祖母 鈴木みえ役）、
眞島秀和（自動車工場の工員 高志役）、
三上真史（自動車工場の工員 雄介役）、
高橋一生（部長（吹奏楽部の男子生徒）役）、
田中要次（パチンコ店の店長役）、
徳井優（カラオケボックスの店員役）、
木野花（スーパーフロアの主任役）、
大倉孝二（スーパーフロアのチーフ役）、
西田尚美（音楽教室の生徒 真澄役）、
菅原大吉（音楽ホールの司会者役）、
小形雄二（列車の車掌役）、
江口のりこ（楽器店の店員役）、
佐藤二朗（バス運転手役）、
森下能幸（弁当屋役）、
宝井誠明（久保田先生役）、
坂田聡（パチンコ客役）、
岩佐真悠子（女生徒 千恵役）、
森康子（老婆役）、
武田祐子（テレビのアナウンサー役）
【製作】フジテレビ、アルタミラピクチャーズ、東宝、電通
【配給】東宝
【支援】文化庁
【上映時間】１時間４５分
２００４年作品
【公式サイト】 http://www.swinggirls.jp/