意外にしっかり撮れている見応えある映画だと思いました。アイドル上戸彩主演というのは宣伝としてはマイナス効果ですらあるのではないかと思うほどです。そのために私自身、単なるアイドル映画かと、今まで観るのを敬遠していたぐらいです。でも『あずみ２』も観ないわけにはいかなくなりました。
オダギリジョーの怪演も見どころでしょう。ちょっとやりすぎという感じもないわけではありませんが。翌年のＮＨＫ大河ドラマ『新撰組！』の好演にも繋がっているようにも思えます。竹中直人は押さえ気味の演技に見え、珍しく浮いては見えませんでした。オダギリジョーと上戸彩は、2003年日本アカデミー賞新人俳優賞を受賞しています。
それにしてもオダギリジョーは、どんな役でも見せてくれます。前述の『新撰組！』もそうですが、『メゾン・ド・ヒミコ』ではスタイルのいいゲイも演じていました。ちなみに、『メゾン・ド・ヒミコ』の舞台は神奈川で、ちらっと富士山も映っていたと思います。
全体的には出演者の若さによる活き活きした雰囲気と、ＣＧやスローモーションなどを多用したり、カメラワークの独特さが、演技の深みの足りなさを十分カバーしていると言えます。
マイナス面は、画面の暗いシーンが多いことや、若干の中だるみがあったり。アクションシーンに雑さを感じて、宣伝文句でもあった「上戸彩の二百人斬り」も若干の消化不良感がありました。仲間同士の斬り合いは『バトル・ロワイアル』を思い浮かべてしまうのもマイナスかな。
「あずみ」を筆頭に、役名が川の名や地名になっている。原作を読んでいないから知らないが、例えば、「あずみ」は安曇村出身という設定なのでしょうか。山名と思われるものは、「あまぎ」、「ひえい」ぐらいかな。
ロケ地はどこなのでしょう。「協力」を見ると、中国地方に関連するところが多いようなので、たぶんそのあたりなのでしょう。京都の高雄山近くの谷山林道でも撮影されたようです。
評価：６８点
【監督】北村龍平
【脚本】水島力也、桐山勲
【原作】小山ゆう 『あずみ』（小学館「ビッグコミックスペリオール」掲載）
【撮影】古谷巧
【音楽】ＳＥＸＴＡＳＹ ＲＯＯＭ
【主題歌】『ねがい』 唄：我那覇美奈（ＦＬＭＥ）
【出演】
上戸彩（うえとあや）（刺客 あずみ役）、
原田芳雄（はらだよしお）（爺（小幡月斎）役）、
オダギリジョー（最上美女丸役）、
小橋賢児（こはしけんじ）（やえに惚れる二刀流の刺客 ひゅうが役）、
金子貴俊（かねこたかとし）（決闘に勝つが忍びの毒にやられる刺客 あまぎ役）、
石垣佑磨（いしがきゆうま）（刺客 ながら役）、
成宮寛貴（なりみやひろき）（決闘で最初に刀を抜く刺客 うきは役）、
岡本綾（おかもとあや）（大道芸人のやえ役）、
北村一輝（きたむらかずき）（清正の側近 井上勘兵衛役）、
松本実（まつもとみのる）（勘兵衛の配下である忍者 飛猿役）、
竹中直人（たけなかなおと）（秀吉の臣下 加藤清正役）、
伊武雅刀（いぶまさとう）（釣りをしていてあずみに殺される浅野長政役）、
小栗旬（おぐりじゅん）（あずみとの決闘で敗れるなち役）、
佐野泰臣（さのやすおみ）（うきはに倒されるゆら役）、
鈴木信二（すずきしんじ）（ひゅうがに倒されるあわ役）、
瑛太（えいた）（ながらに倒されるひえい役）、
山口翔悟（やまぐちしょうご）（あまぎに倒されるこもろ役）、
榊英雄（さかきひでお）（天海と月斎の連絡役の忍び 長戸役）、
佐藤慶（さとうけい）（徳川家康側近の高僧で月斎に刺客の養成を依頼する南光坊天海役）、
遠藤憲一（えんどうけんいち）（飛猿に雇われる佐敷三兄弟の長男 佐敷一心役）、
清水一哉（しみずかずや）（飛猿に雇われる佐敷三兄弟の次男 佐敷二斎役）、
坂口拓（さかぐちたく）（飛猿に雇われる佐敷三兄弟の三男 佐敷三蔵役）、
りょう（襲われる母親役）
【製作】「あずみ」製作委員会
日本ヘラルド映画、ＴＢＳ、電通、小学館、アミューズピクチャーズ、東宝、イマジカ、セディックインターナショナル、トライストーン・エンタテイメント
【配給】東宝
【協力】みろくの里、リゾートホテル ベラビスタ境ガ浜、ティー・クリエイション、平安会館、東横イン京都五条烏丸、タックブレイン、オリックス・レンタカー、マツダレンタカー、サザナミマリン、グループ ジオン、都市綜合設計事務所、東京イサミ、三信電気、ＪＤＩＳＫ、ユー・ブイ・エヌ、比叡山延暦寺、西教寺、神辺本陣、原滝山トライアルパーク、神戸フィルムオフィス、福山市ローズアリーナ、広島県因島市、大佐町役場、沼隈町のみなさん、ＲＣＣ中国放送、ＲＳＫ山陽放送
【上映時間】２時間２２分
２００３年作品
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