親子関係では、子供が親としっかり向き合わないことによる悲劇が描かれています。もちろん、自分にも当てはめて見ることができます。
学校の先生にぜひ見てほしいシーンもあります。ネタバレになってしまいますが、事件の遠因は、学校の先生が生徒のためと言いながら生徒の罪を隠蔽したことです。生徒は、罪を犯しても逃れられるという教育を受けることになります。
実際に、学校で発生した暴力などの違法行為を、学校側はわかっていても警察に通報して生徒を警察に引き渡すことをしていないのは今も昔も存在していると思います。そして誰でもそんなことを経験したり見て気づいたりしているのではないでしょうか。もっとも、すべての違法行為を、すぐに警察に通報して生徒を警察に引き渡すのが正しいとは言えないとは思います。情状酌量というのでしょうか、内容にもよりますが、成長過程にある子供に対して、反省し成長につながるなら教育的指導ということも有効だと思います。ただ、反省しない場合や、生徒のためともっともらしいことを言いながら、教師や校長などの上に立つものが責任を取る勇気がなく、自己擁護をしていたとしたらどうでしょう。テレビなどで報道されるようにいじめなどに対する校長などの対応を見ていれば、おかしいと思わざるを得ないことが多々あります。子供への悪影響は火を見るよりも明らかです。教育者も人間ですから完璧な人間はいないでしょうが、教育者の人間性が未来の大人を作ることを考えれば、やはり教育者は人間性を磨いていなければならないでしょう。
基本的には東京が舞台ですが、長野で静養生活をしているシーンもあります。そのときに、六里ヶ原方面からの浅間山が映されていました。鬼押出溶岩も見えました。
評価：７３点
【監督】土井裕泰
【脚本】櫻井武晴 （飯田武という名前で『相棒シリーズ 鑑識・米沢守の事件簿』などの脚本も担当しています）
【原作】東野圭吾（ひがしの けいご） 「麒麟の翼」（講談社刊）
【撮影】山本英夫晴 （『ミッドナイト イーグル』などの撮影も担当しています）
【音楽】菅野祐悟（かんの ゆうご） （『カイジ 人生逆転ゲーム』などの音楽も担当しています）
【主題歌】sign 唄：JUJU
【出演】
阿部寛（加賀恭一郎刑事役）、
溝端淳平（みぞばた じゅんぺい）（恭一郎の従弟で捜査一課勤務の松宮脩平役）、
松坂桃李（まつざか とうり）（武明の息子 青柳悠人役）、
新垣結衣（あらがき ゆい）（八島冬樹の同居人 中原香織役）、
田中麗奈（京橋中央病院勤務の看護師 金森登紀子役） （『銀色のシーズン』などにも出演しています）、
中井貴一（江戸橋の地下道で刺されて日本橋で死亡する青柳武明役） （『ザ・マジックアワー』などにも出演しています）、
三浦貴大（みうら たかひろ）（警察に追いかけられトラックにはねられる25歳の八島冬樹役）、
劇団ひとり（中学校の水泳部顧問 糸川肇役）、
鶴見辰吾（カネセキ金属工場長 小竹役）、
松重豊（まつしげ ゆたか）（小林刑事（主任）役） （『RED SHADOW 赤影』などにも出演しています）、
北見敏之（石垣刑事課長役） （『早咲きの花』などにも出演しています）、
山崎賢人（やまざき けんと）（悠人の中学時代の水泳仲間 杉野達也役）、
聖也（せいや）（悠人の中学時代の水泳仲間 黒沢翔太役）、
竹富聖花（たけとみ せいか）（武明の娘 青柳遥香役）、
山崎努（特別出演）（恭一郎の父 加賀隆正元刑事役） （『クライマーズ・ハイ』などにも出演しています）、
黒木メイサ（友情出演）（青山亜美役）、
柄本時生（えもと ときお）（横田省吾役）、
相築あきこ（あいつき あきこ）（武明の妻 青柳史子役） （『ミッドナイト イーグル』などにも出演しています）、
秋山菜津子（あきやま なつこ）（吉永美重子役）、
中村靖日（なかむら やすひ）（安田巡査役）、
緋田康人（ひだ やすと）（藤江刑事役）、
菅田将暉（すだ まさき）（悠人の中学時代の水泳部後輩 吉永友之役）、
向井理（むかい おさむ）、
松澤一之（まつざわ かずゆき）、
大堀こういち（おおほり こういち）、
コッセこういち、
辰巳蒼生、
吉見幸洋（よしみ ゆきひろ）、
谷川昭一朗（たにがわ しょういちろう）、
西慶子、
中村祐樹（なかむら ゆうき）、
柳東士、
ヘイデル龍生（へいでる たつお）、
菅原大吉（すがわら だいきち）、
田中要次、
志賀廣太郎（しが こうたろう）、
大石吾朗（おおいし ごろう）
【上映時間】２時間９分
【公開日】2012年1月28日
【製作】映画「麒麟の翼」製作委員会
【配給】東宝
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