軽いといえば、エンドロールの、Mr.Children の歌もそれまでの雰囲気からは浮いてしまっています。これも、あまりに救いようのないラストのまま終わると引きずってしまうため、その重さを軽減するためでしょうか。
いずれにしても、内容はとても暗いのです。ただ、それは終わり方に凝縮されていて、それまではまだ希望のある終わり方を期待できる雰囲気はあるのです。この終わり方は、救いようがありません。それは、何が悪いのか、どこに怒りをぶつけたらいいのかが特定できないからです。公正でない判決を出したアメリカが悪いのか、捕虜を殺させた上官が悪いのか、それとも負ける戦争をした日本が悪いのか。
清水豊松（中居正広）が、捕虜を突いたのが、大北山です。調べてみると、京都の左大文字が大北山とのことらしいですが、映画の中の舞台がここを指しているのかはわかりませんでした。もっとも、完全な実話ではなく、フィクションですので、名前自体が架空のものかもしれません。
また、収容所で、同じ牢に入っているのが、西沢卓次（笑福亭鶴瓶）です。西沢は倉吉出身で三朝温泉の名も登場します。三朝温泉へは大山に登った翌日に訪れたことがあります。
見たのは、ＤＶＤの、「スタンダード・エディション」です。特典には、中居正広が映画ＰＲのため、全国をまわる様子が入っていました。
2014年8月2日の朝日新聞土曜版の「映画の旅人」で、この映画が取り上げられていました。橋本忍は1959年公開の脚本から改訂をし、「直した分だけいいんじゃないかな」と話したが、翌日に、「何かが足りないと思う。間違いなく、何か足りない。」と発言を訂正したのだそうです。
評価：７０点
【監督】福澤克雄（ふくざわ かつお）
【脚本】橋本忍 （『幻の湖』の脚本等も担当しています）
【原作】加藤哲太郎
【撮影】松島孝助 （『茶の味』などの撮影も担当しています）
【音楽】久石譲 （『トンマッコルへようこそ』などの音楽も担当しています）
【主題歌】「花の匂い」 Mr.Children（トイズファクトリー） 作詞・作曲：桜井和寿、編曲：小林武史＆Mr.Children
【劇中使用曲】「東京の花売娘」 歌唱：岡晴夫（キングレコード）、作詩：門田ゆたか、作曲：上原げんと
【衣装デザイナー】黒澤和子 （『隠し剣 鬼の爪』などの衣裳も担当しています）
【出演】
中居正広（高知で理髪店を営む清水豊松役）、
仲間由紀恵（豊松の妻 清水房江役） （『ガメラ３ 邪神＜イリス＞覚醒』などにも出演しています）、
石坂浩二（矢野中将役） （『日本沈没』などにも出演しています）、
上川隆也（かみかわ たかや）（小宮教誨師役）、
笑福亭鶴瓶（西沢卓次役）、
草彅剛（大西三郎役） （『黄泉がえり』などにも出演しています）、
柴本幸（しばもと ゆき）（敏子役）、
西村雅彦（根本役）、
平田満（三宅役） （『ホワイトアウト WHITEOUT』などにも出演しています）、
マギー（豊松の友人 酒井正吉役）、
加藤翼（豊松の息子 健一役）、
武田鉄矢（赤紙を持って来る竹内役） （『幸福の黄色いハンカチ』などにも出演しています）、
伊武雅刀（いぶ まさとう）（尾上中佐役）、
片岡愛之助（日高大尉役）、
名高達男（足立少尉（小隊長）役）、
武野功雄（たけの いさお）（木村軍曹役）、
六平直政（むさか なおまさ）（立石上等兵役）、
荒川良々（あらかわ よしよし）（滝田二等兵役）、
泉ピン子（俊夫の母役）、
浅野和之（法廷での米軍通訳役）、
金田明夫（豊松を戦犯として連行する背広の刑事役）、
山崎銀之丞（元新聞記者の戦犯 山口役）、
梶原善（折田俊夫役）、
織本順吉（松田老人役）
【上映時間】２時間１９分
【公開日】2008年11月22日
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