わたしたちの明神山 この本の存在を最初に知ったのはパソコン通信時代のニフティサーブで、『ビスターリ1994冬』（山と溪谷社）に紹介されている、と聞いたことからです。当時の私は就職で三河地方に引っ越してきてから３〜４年で、まだそれほど地元の山には詳しくありませんでした。
ただ、明神山には1994年4月29日に初めて登り、同年にあと２回登りました。そんな山の本があるということで、早速雑誌に書かれていた連絡先に電話を入れて５００円で購入しました。その後、しばらくして会にも入会しましたが、それは『山と溪谷』（山と溪谷社）の会員募集記事を見てでした。
送られてきたその本を見ると、明神山だけでなんと２３ものコースが紹介されていました（沢登りの２コースを含む）。一つの山で２３ものコースがあることにまず驚きましたが、そんな本を出すことにも感心しました。東三河山ぽ会１０周年記念行事の一つとして明神山地域研究に取り組み、発行したものです。
もちろん、明神山だけを取り上げるというのは冒険でもあったのでしょうが、それだけいい山であることに間違いないと思います。私も愛知県で最もいい山だと思います。
明神山に精通していることは、国土地理院の地形図の誤りを複数指摘していることからもわかったりします。
オールモノクロ印刷ですが、全く気になりません。表紙の写真もモノクロで、鳶ノ巣山からの明神山が写っています。題名からして手作りっぽい感じがして親近感が沸きます。表紙裏には概念図とコース一覧があり、目次以上に重宝します。
残念ながら、会に本書の在庫は残っていません。出回っているのを入手するのも困難でしょう。
「おわりに」で、「いつの日にか、改訂版に挑むことを期待したいと思います。」との記述があります。そして2009年3月に全面改訂版が発行されました。
紹介されているコースは以下の通り。（各コースへのリンクはトレースした代表的な山行記録です）
乳岩ルート
乳岩道、シャクナゲ遊歩道、鳳来湖トンネル、中道、鳳来湖奥、南尾根
三ツ瀬ルート
三ツ瀬口、中在家１尾根、中在家２尾根、夕立岩、上河内集落から南東尾根、南東尾根、池場から南東尾根、亀淵川東尾根
柿野北ルート
柿野北、尾籠岩山、柿野クライミング
北西尾根コース
北西尾根（長良）、設楽・鳳来町界尾根、南西尾根、北西尾根・南尾根縦走
沢登りルート
栃の木沢、ユヤノ沢
【編 者】東三河山ぽ会
【発行者】細井 誠
1994年7月10日発行