テルマエの排水口に吸いこまれ、日本の銭湯へ場所と時代を瞬間移動というのは、ありがちな設定ですね。その銭湯には富士山の絵があります。古代ローマに戻り、ベスビオス火山にナポリ湾の絵を描いてテルマエを造り、大ヒットします。
次に日本に現れたのは、家の風呂。なぜか、日本に現れるところには、漫画家を目指す女性 山越真実（上戸彩）がいます。
ショールームに現れたときは、泡風呂とクラゲの映像を見、古代ローマでもそれを再現します。古代ローマと現代日本の往復で、次々と新たなテルマエを造っていきます。見ている方は次はどうなるか、わくわくしながら飽きずに見ることができます。
分類するとしたらコメディ映画になってしまうのかもしれませんが、単なるコメディ映画ではなく、感動もし、涙腺も緩みます。
最後は、ルシウスと山越真実との会話で、「また会えるかなあ」なんて続編を思わせるセリフもありました。「きっと会える」というセリフは、「この映画がヒットしたら続編ができる」と言っているように感じました。そして、その通りになりましたね。
古代ローマ人を演じるのが、阿部寛のほか、北村一輝、宍戸開、市村正親と顔の濃い俳優ばかりなのも「狙ってるなあ」、と思わずにはいられません。そんな配役を知っただけでも、この映画を見たいと思わせるには十分でしたが、結局、私が見たのはテレビ放映の録画となってしまいました。
温泉ブームの日本では今更温泉ブームがさらに高まるという効果もほとんどないかもしれませんが、古代ローマのテルマエに目をつけるとは「今更」ではなく、新鮮ですね。
こんなおもしろい映画を作る監督は誰だろうと、調べてみると、武内英樹。聞いたことないなあ、新人にしては慣れていそうだけど、と見てみると、テレビの演出をいくつか手掛けている方みたいでした。
原作はコミックらしいです。ヤマザキマリという原作者も知りませんでした。
ロケ地は、那須温泉郷北温泉や伊香保温泉などとなっています。
評価：７３点
【監督】武内英樹（たけうち ひでき）
【脚本】武藤将吾（むとう しょうご）
【原作】ヤマザキマリ
【撮影】川越一成（かわごえ かずなり）
【音楽】 住友紀人（すみとも のりひと）（『沈まぬ太陽』などの音楽も担当しています）
【テーマ曲】ラッセル・ワトソン 『誰も寝てはならぬ』
【出演】
阿部寛（あべ ひろし）（テルマエ技師 ルシウス役） （『麒麟の翼 〜劇場版・新参者〜』などにも出演しています）、
上戸彩（うえと あや）（漫画家をめざす山越真実役） （『あずみ』などにも出演しています）、
市村正親（いちむら まさちか）（ハドリアヌス帝役）、
北村一輝（きたむら かずき）（次期皇帝候補のケイオニウス役） （『キル・ビル』などにも出演しています）、
宍戸開（ししど かい）（アントニヌス役） （『あずみ２ Death or Love』などにも出演しています）、
竹内力（たけうち りき）（館野役） （『バトル・ロワイアルII【鎮魂歌】レクイエム』などにも出演しています）、
笹野高史（ささの たかし）（真実の父 山越修造役） （『劔岳 点の記』などにも出演しています）、
勝矢（かつや）（マルクス役）、
キムラ緑子（真実の母 山越由美役）、
松尾諭（真実の見合い相手役）、
内田春菊（漫画家役）、
蛭子能収（ショールーム部長役）、
外波山文明（棟梁役）、
飯沼慧、
岩手太郎、
木下貴夫、
神戸浩、
森下能幸（社員役）
【上映時間】１時間４８分
【配給】東宝
【公開日】2012年4月28日
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