前作よりも上映時間は短く、途中でだれることもほとんどないが、逆にどんどん展開していき、抑揚もあまりなく、予定されたラストに向かって淡々と進んでいく感じがあります。確かに重要人物が意外に早く死んでしまったり、騙されたりというシーンもあるのだが、これらは逆効果ですらあるのではと感じました。結局、あずみ（上戸彩）一人が刀を振り回しているだけでもたせようとしているようで、それだけではさすがにもちません。
前作では、オダギリジョー、原田芳雄などの個性的な演技がありましたが、今回は、栗山千明ぐらいでしょうか。でも、残念ながら、脇を固めるほどではありませんでした。ベテラン勢としては高島礼子、平幹二朗が出演していますが、存在感はそれほど大きくはありませんでした。
監督が、前作の北村龍平から、金子修介になったのが原因でしょうか。それとも、続編で、自由度がなかったからでしょうか。いずれにしても残念です。
冒頭は、前作よりも広大な山岳風景で始まります。しばらくすると断崖から海に飛び込み、絶壁にあずみとながらの二人がぶら下がるシーンがあります。海へ飛び込むシーンは、岩手県の田野畑村鵜ノ巣断崖という場所が使用されたようです。
クランクインは、2004年4月15日、京都府谷山林道となっています。ここは東映の太秦にも近く時代劇のロケ地としてよく使われている場所らしく、京都市右京区梅ヶ畑にあり、高雄山の近くのようです。ただし、本作は東宝ですが。尾道市、京都篠見四十八滝、兵庫県白水峡、岡山県美星町などでもロケがあったようです。岩肌がむき出しのロケ地は白水峡のようです。
映画の中では、真田昌幸は当然ながらあずみに斬られることになる。史実では、徳川家康に蟄居を命じられた紀州高野山山麓の九度山で病死したことになっている。九度山の前には高野山にいたようである。父は武田信玄に仕えた真田幸隆で、武田家が徳川家とは敵であったため、最後まで家康への敵愾心はあったといい、実際に、関ヶ原の戦い後、家康と戦う準備をしていたという。それまでに、少ない兵力で二度も徳川軍に大勝していることから、家康に恐れられていたそうである。
評価：５６点
【監督】金子修介
『ガメラ 大怪獣空中決戦』、『ガメラ２ レギオン襲来』などの監督でもあります。
【脚本】水島力也、川尻善昭
【原作】小山ゆう 『あずみ』（小学館「ビッグコミックスペリオール」掲載）
【撮影監督】阪本善尚
【音楽】川村栄二、今泉敏郎、大坪直樹、峰岸良行
【出演】
上戸彩（うえとあや）（刺客 あずみ役）、
小栗旬（おぐりじゅん）（金角の弟分 銀角、あずみとの決闘で敗れたなち役）、
石垣佑磨（いしがきゆうま）（刺客 ながら役）、
栗山千明（くりやまちあき）（こずえ役）、
北村一輝（きたむらかずき）（清正の側近 井上勘兵衛役）、
遠藤憲一（えんどうけんいち）（夜盗一味のリーダー 金角、「あずみ」では飛猿に雇われる佐敷三兄弟の長男 佐敷一心役）、
高島礼子（たかしまれいこ）（上野甲賀衆の空如（くうにょ）役）、
平幹二朗（ひらみきじろう）（豊臣方の大名 真田昌幸役）、
神山繁（こうやましげる）（徳川家康側近の高僧 南光坊天海役）、
永澤俊矢（ながさわとしや）（昌幸の息子 真田幸村役）、
坂口拓（さかぐちたく）（空如の部下 土蜘蛛、「あずみ」では飛猿に雇われる佐敷三兄弟の三男 佐敷三蔵役）、
謙吾（けんご）（爆死する空如の部下 六波（ろっぱ）役）、
前田愛（まえだあい）（夜盗の仲間 千代役）、
根岸季衣（ねぎしとしえ）（夜盗たちの母親代わり よね婆役）、
宍戸開（ししどかい）（天海に仕える伊賀忍者 服部半蔵役）、
増本庄一郎（ますもとしょういちろう）（夜盗の仲間 三郎太役）、
伊藤俊（いとうしゅん）（夜盗の仲間 雉丸役）、
武智健二（たけちけんじ）（左手に鋼鉄製の鉤爪を付けている喜兵太役）、
渕野俊太（慎太郎役）、
野村祐人（のむらゆうじん）（昌幸の家臣を募る侍Ｚ役）、
安住紳一郎（ＴＢＳアナウンサー）
以下、回想シーン
伊武雅刀（いぶまさとう）（釣りをしていてあずみに殺される浅野長政役）、
竹中直人（たけなかなおと）（秀吉の臣下 加藤清正役）、
原田芳雄（はらだよしお）（爺（小幡月斎）役）、
小橋賢児（こはしけんじ）（やえに惚れる二刀流の刺客 ひゅうが役）、
金子貴俊（かねこたかとし）（決闘に勝つが忍びの毒にやられる刺客 あまぎ役）、
成宮寛貴（なりみやひろき）（決闘で最初に刀を抜く刺客 うきは役）、
佐野泰臣（さのやすおみ）（うきはに倒されるゆら役）、
鈴木信二（すずきしんじ）（ひゅうがに倒されるあわ役）、
瑛太（えいた）（ながらに倒されるひえい役）、
山口翔悟（やまぐちしょうご）（あまぎに倒されるこもろ役）
【製作】「あずみ２」製作委員会
日本ヘラルド映画、ＴＢＳ、電通、小学館、東芝エンタテイメント、アミューズソフトエンタテイメント、東宝、ＩＭＡＧＩＣＡ、セディックインターナショナル、トライストーン・エンタテイメント
【配給】東宝
【協力】三和映材社、アーク・システム、松竹衣装、八木かつら、ティー・クリエイション、みろくの里、リゾートホテル ベラビスタ境ガ浜、高津商会、高津装飾美術、スプリーム・エフェクト、関西ロケーションサービス、ＳＪＰ ＩＮＣ．、宗特機、ジェイフィルム、アルカブース、日本照明、マッドハウス、オスカープロモーション、フォーピース、東宝サウンドスタジオ、京都岸本乗馬センター、ライディングクラブサンヨーガーデン、タックブレイン、日の丸重機、佐藤リース工業、イデックス、ユニコイベントサービス、テックス、シーエフ、龍保険事務所、よし！ツアー、サン・コーポレーション、東光映材、ユカワ商事、ミワボシ、マツダレンタカー、パイプサービス、京都 わらびの里、嵯峨映画、竹本造園、京都 神護寺、中世夢が原、西山浄土宗総本山 光明寺、新神戸オリエンタルホテル、有馬町、岩手県、田野畑村、久慈市、野田村、普代村、田老町、宮古市、環境省宮古自然保護官事務所、気象庁宮古測候所、財団法人岩手県観光協会、神戸フィルムオフィス、滋賀ロケーションオフィス、盛岡広域フィルムコミッション
【上映時間】１時間５２分
２００４年作品
【公式サイト】http://www.azumi2.jp/index.html
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