映画は、若い医師（櫻井翔）と病院を描いています。回復の見込みのない患者を見捨て、先端医療に力を入れる大学病院と死を看取るまで面倒を見る多忙な地方の病院。若い医師、栗原一止は能力はあるが、大学病院のやり方に馴染めず地方の病院で多忙な仕事をこなすことを選びます。
病院のあり方に一石を投じる映画となっています。ただ、それ以上の感動はありませんでした。
舞台は、松本市。栗原一止は本庄病院消化器内科の医師です。信濃大学病院から研修の案内が届き、それに参加します。研修の申請をしたのは栗原一止の医師としての育ての親とも言える貫田誠太郎（柄本明）。郵送された封筒には「信濃大学病院」と書いてありましたが、セリフでは「信濃医大」と言っていたのはリアルですね。
そこで才能を見込まれ、大学病院で先端医療に携わるように勧められますが、末期がん患者（加賀まりこ）を見捨てられず、最後まで治療にあたります。
栗原一止は、覇気のない今時の若者っぽい雰囲気の医師で、妻の榛名と一緒に住んでいますが、そこにはさらに二人の男性も同居しています。その住まいは廃業した旅館なのでしょうか、看板に「御獄旅館」とありました。榛名は多少ストーリーに絡んできますが、他の二人はあまりストーリーには関係ありません。描かなければならない必然性は感じませんでした。原作があって、その通りに映画化したとしか思えません。
美ヶ原方面からの北アルプスも映っていました。大キレットや穂高岳方面も見えます。常念岳あたりは雪で真っ白です。常念岳と槍ヶ岳が重なって見えるので北の方でしょう。場所の特定まではしませんでした。
がん患者の安曇雪乃が誕生日に病院の屋上から見たのは、ふるさとの穂高方面の設定ですが、実際に映っていたのは八ヶ岳だろうと思います。
評価：６０点
【監督】深川栄洋（ふかがわ よしひろ）
【原作】夏川草介（なつかわ そうすけ）
【脚本】後藤法子（ごとう のりこ）
【撮影】山田康介（やまだ こうすけ）
【音楽】松谷卓（まつたに すぐる）
【テーマ曲】辻井伸行（つじい のぶゆき） （『マエストロ！』ではエンディングテーマ曲を演奏しています）
【出演】
櫻井翔（さくらい しょう）（松本市の本庄病院消化器内科の若い医師 栗原一止役）、
宮崎あおい（一止の妻 栗原榛名役） （『劔岳 点の記』などにも出演しています）、
加賀まりこ（がん患者で学校の先生だった安曇雪乃役） （『Love Letter』などにも出演しています）、
柄本明（えもと あきら）（ベテラン医師 貫田誠太郎役） （『解夏』などにも出演しています）、
西岡徳馬（にしおか とくま）（信濃大学病院のベテラン医師 高山秀一郎役）、
原田泰造（はらだ たいぞう）（栗原と同居する男爵役）、
岡田義徳（おかだ よしのり）（キスリングで出て行く 学士役） （『下妻物語』では社長役を演じていました）、
要潤（かなめ じゅん）（医師 砂山次郎役）、
吉瀬美智子（きちせ みちこ）（看護師 外村静枝役）、
池脇千鶴（いけわき ちづる）（看護師 東西直美役）（『ジョゼと虎と魚たち』ではジョゼ役を演じていました）、
朝倉あき（新米看護師 水無陽子役）、
斎藤歩（さいとう あゆむ） （『壬生義士伝』などにも出演しています）、
梅沢昌代（うめざわ まさよ）（学士の母役）、
左右田一平（そうだ いっぺい）、
でんでん （『クライマーズ・ハイ』などにも出演しています）、
山下容莉枝（やました よりえ）、
今井和子（いまい かずこ）、
春延朋也、
野間口徹（のまぐち とおる）、
中山卓也、
金子さやか （『ミッドナイト イーグル』などにも出演しています）、
太田美恵、
澤山薫、
山野海、
梶原阿貴、
内田滋、
北山雅康 （『たそがれ清兵衛』などにも出演しています）、
駿河太郎、
松本実、
山口朋華、
諌山幸治、
もたい陽子
【上映時間】２時間８分
【公開日】2011年8月27日
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