そんなシロの面倒を食堂きくやのおかみが見ます。シロがその子の飼っていた犬だとは知らず、毛並がわさわさした犬なので、わさおという名前をつけ、飼うことにします。
里を荒らすクマのため、ハンターが山に入り、わさおが銃口を向けられたり、途中、ずっとはらはらさせられて落ち着けません。それにきくやの常連がトライアスロンに挑戦したりなど余分なシーンも結構あり、冗長で退屈気味です。途中、泣けるシーンもあり、最後は一応ハッピーエンドなのですが、全体的にはちょっと物足りませんでした。
里に出たクマは殺されるのか、と問うシーンもあり、クマとの共生についても少し触れられています。ちなみに、映画の中では、基本的には山に返し、殺すのは最終手段だと答えています。
ところどころで岩木山が映されるシーンがあります。ロケ地は青森県の鯵ヶ沢周辺です。鯵ヶ沢というと岩木山よりも白神山地というイメージがありますが、絵になるのはやっぱり岩木山ということでしょうか。北限の天然杉なども登場します。鯵ヶ沢へは二度行ったことがあります。もっとも1988年の１回目のときは北海道観光から名古屋へ帰る途中、車で通り過ぎただけですが。悪天だったせいもあるかもしれませんが暗いさびれた町というイメージでした。二度目は2014年。八甲田山に登り、弘前に宿泊し、翌日に岩木山に登って鯵ヶ沢へ行きました。そこの「海の駅」でランチをとりました。それだけですが、鯵ヶ沢のイメージはがらっと変わりました。道路も広くきれいに整備され、明るく感じました。その後、白神山地へ行きましたが、鯵ヶ沢周辺ではなく、もう少し南下した深浦周辺でした。
この映画は、実話を元にしていて、登場するわさおも実在の犬です。訓練された犬でもないので、撮影も大変だったようで、その様子はDVDの特典映像にあります。その犬は、秋田犬長毛種という珍しい品種なのだとか。ちなみに、小さい頃のシロは別の秋田犬長毛種です。
評価：６８点
【監督】錦織良成（にしこおり よしなり）
【脚本】小林弘利（こばやし ひろとし）
【撮影】柳田裕男（やなぎだ ひろお）
【主題歌】薬師丸ひろ子 『僕の宝物』
【出演】
薬師丸ひろ子（菊谷セツ子役）、
きくやわさお（秋田犬わさお）、
シロ（子犬時代のわさお役）、
平田満（ひらた みつる）（セツ子の夫 菊谷浩役）（『北の零年』などにも出演しています）、
甲本雅裕（こうもと まさひろ）（達也役） （『突入せよ！「あさま山荘」事件 THE CHOICE OF HERCULES』などにも出演しています）、
笹野高史（マタギの長谷川役） （『おくりびと』などにも出演しています）、
鈴木砂羽（すずき さわ）（尚子役） （『劔岳 点の記』などにも出演しています）、
伊澤柾樹（いざわ まさき）（田川アキラ役）、
吉永淳（アキラの姉 田川真希役）、
嶋大輔（しま だいすけ）（保健所職員 井原役）、
大沢樹生（おおさわ みきお）、
尾美としのり（アキラの父 田川剛役） （『たそがれ清兵衛』などにも出演しています）、
河原さぶ （『ゆれる』などにも出演しています）、
不破万作（ふわ まんさく）、
上田耕一（うえだ こういち）、
佐野史郎（さの しろう）（尚子の父 茂夫役）
【上映時間】１時間５６分
【配給】東映
【公開日】2011年3月5日
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