出だしの雰囲気は、『いちばん美しい夏』を感じました。町で病んだ少女が田舎で暮らすことになるという設定は同じです。『西の魔女が死んだ』は、ハーフの母は帰り、外国出身の祖母と二人で裏山になっている野いちごを摘み、ジャムにします。また、魔女の修行として、規則正しい生活を送ります。
祖母役のサチ・パーカーは、丁寧語の日本語で、ぎこちない感じもしますが、それが逆におちついた雰囲気を醸し出しています。中学生役の高橋真悠と、サチ・パーカーとのやり取りもぎこちない感じがしますが、それも最初のうちだけで、途中からは自然な感じがしました。サチ・パーカーは、シャーリー・マクレーンの娘とのことです。
監督の長崎俊一は脚本を兼ねているが、もう一人の脚本、矢沢由美(役者としては水島かおりと名乗っているようです）とは夫婦とのことです。
野草の名前もいくつか登場します。ノアザミ、ツリガネニンジン、リンドウ、スミレ、キュウリグサなど。「ヒメワスレナグサ」なんて名前も登場します。
描かれているのは、なんでもないようなちょっとした日常の出来事。でも、それだけで少女の成長がしっかり描かれているのです。そして涙腺がゆるむシーンも多々あります。
ストレートな題名は、ラストが想像できてしまうため、マイナスだと思うのですが・・・
評価：７０点
【監督】長崎俊一
【脚本】矢沢由美、長崎俊一
【原作】梨木香歩 「西の魔女が死んだ」（新潮文庫刊）
【撮影監督】渡部眞（わたなべ まこと）
【音楽】トベタ・バジュン
【主題歌】『虹』 手嶌葵（てしま あおい）
【美術監修】種田陽平 （『冷静と情熱のあいだ』などの美術も担当しています）
【出演】
Sachi Parker サチ・パーカー（おばあちゃん役）、
高橋真悠（たかはし まゆ）（まい役）、
りょう（ママ役） （『ＧＯＥＭＯＮ』などにも出演しています）、
木村祐一（ゲンジ役） （『ゆれる』などにも出演しています）、
高橋克実（郵便屋さん役）、
大森南朋（パパ役） （『ヴァイブレータ VIBRATOR』などにも出演しています）、
真実一路（しんじつ いちろ）、
諏訪太朗、
鈴木龍之介
【上映時間】１時間５５分
【初公開日】2008年6月21日
【製作】『西の魔女が死んだ』製作委員会
（アスミック・エースエンタテインメント、住友商事、テレビ東京、wowow、京王エージェンシー、IMAGICA、日販、ディーライツ、ローソンチケット、朝日新聞社、Yahoo!JAPAN）
【配給】アスミック・エースエンタテインメント
【協力】ローソン、京王グループ 他
【撮影協力】山梨県、山梨県北杜市、長野県南牧村、清泉寮、清里高原ホテル、長田興業株式会社、太陽建機レンタル株式会社、北杜市立白州中学校、北杜市立長坂中学校、平沢牧場、篠沢大滝キャンプ場、有限会社エルティーキャンパーズ、大柴太賀吉、浅川豊和 他
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