一方、映像はどこかで観たようなシーンの寄せ集めのようで、新鮮さはあまり感じないばかりか、リアルさがなく、出来の悪いアニメを見ているようで、私の趣味ではありません。思い浮かんだ映画は、ビートたけし主演の『座頭市』、『マトリックス』、『グラディエーター』、中国映画の『ＨＥＲＯ／英雄』、『スター・ウォーズ』などです。
権力を追い求めることをやめて自由を求めた五右衛門。しかし、その自由には犠牲が伴うことを知ります。秀吉にも、「自由というやつはどんな気分だったか？」と問われる。「自由のために自分の運命から逃げ出した」と。「自由は見つかったか、自由になれたか」と。自由など追い求めても得られるものではない。結局は運命に委ねるしかないのだと、説教臭いシーンにも見えましたが、ちょっとドキッとさせられました。その後は、自分の命を運命に委ねることになります。
キャストは豪華です。主演の江口洋介ははまり役というほどではなく微妙ですが、大沢たかおと奥田瑛二が脇をしっかり固めているように思えます。『子ぎつねヘレン』に出演していた深澤嵐も好演していました。柔和な顔つきに敵討ちは似合いませんが、表情に影をつけたりしていて違和感を持たずに済みました。演技はなかなかです。そういえば大沢たかおも『子ぎつねヘレン』で共演していました。広末涼子は相変わらず大根に見えてしまいますが。
石川五右衛門が織田信長に拾われて服部半蔵の下で忍びの修行をするという設定で、岩登りをするシーンがありました。DVDに付いている特典で、監督のシーン解説によると、「タイガーマスク虎の穴」だそうです。
評価：５０点
【監督・原案・撮影監督】紀里谷和明（きりや かずあき） 『ＣＡＳＳＨＥＲＮ』の監督でもあります。
【脚本】紀里谷和明、瀧田哲郎
【音楽】松本晃彦 『Returner リターナー』などの音楽も担当しています。
【主題歌】「ＲＯＳＡ」 歌：ＶＩＯＬＥＴ ＵＫ 作詞・作曲・編曲：YOSHIKI
【衣装デザイン】VAUGHAN ALEXANDER ヴォーン・アレクサンダー、TINA KALIVAS ティナ・カリヴァス
【出演】
江口洋介（石川五右衛門役）、
大沢たかお（三成の部下 霧隠才蔵役）、
奥田瑛二（豊臣秀吉役）、
ゴリ（ガレッジセール）（五右衛門の子分 猿飛佐助役）、
広末涼子（信長の姪 浅井茶々役）、
要潤（秀吉の家臣 石田三成役）、
寺島進（家康の部下 服部半蔵役）、
中村橋之助（織田信長役）、
平幹二朗（千利休役）、
伊武雅刀（徳川家康役）、
深澤嵐（小平太役）、
鶴田真由（小平太の母役）、
六平直政（紀伊国屋文左衛門役）、
福田麻由子（少女時代の茶々役）、
チェ・ホンマン（秀吉の用心棒 我王役）、
佐藤江梨子（吉野太夫役）、
戸田恵梨香（夕霧太夫役）、
玉山鉄二（役人 又八役）、
りょう（五右衛門の母役）、
紀里谷和明（明智光秀役）、
蛭子能収（蕎麦屋の店主役）、
ウド鈴木（キャイ〜ン）（群集役）、
藤澤恵麻（才蔵の妻 お吉役）、
佐田真由美（三成の妻 おりん役）、
小日向文世（遊郭の番頭 弥七役）、
広田亮平（少年時代の五右衛門役）、
田辺季正（青年時代の五右衛門役）、
佐藤健（青年時代の才蔵役）、
なべやかん（山賊役）
【上映時間】２時間８分
【製作】松竹、ワーナー・ブラザース映画、大一商会、木下工務店、衛星劇場、KIRIYA PICTURES、CELL、
テレビ朝日、電通、吉本興業、ドリームキッド、ホットトイズ、エイベックス・エンタテインメント
【配給】松竹
【初公開日】2009.5.1
amazon.co.jp「ＧＯＥＭＯＮ」（関連DVD・Blu-ray等）
