歴史物って大作になりやすいのかもしれません。
しかし、歴史をベースにしているので、結末で秦王（のちに秦の始皇帝になる）が死なないのがわかっているのは歴史物の弱点といえるでしょう。
最初と最後になぜか日本語の解説まで画面に出てきましたが、余計でしょう。
ただ残虐なイメージの強い秦の始皇帝を見直す機会にはなりました。
中国らしい木も草も生えていない砂漠の山（丘）がいくつも出てきます。
こういうのを見ると、中国の山ってつまらないのかなあ、と思ってしまいます。
ただ桂林のあの独特な形の山々も少し映っていました。ここには一度行ってみたいです。
武術の宙を舞う動きなども中国的な感じで、人口的とはいえ効果的です。『マトリックス』などのアメリカ映画では、技術を見せびらかすような感じを受けますが、『ＨＥＲＯ』ではイメージを強調するために必要だからやっている、という感じです。そういう意味では『少林サッカー』も同じだと思うのです。ひょっとしてそう感じるのは、西欧的ではなく、アジア特有の感性なのかもしれませんが。
ジェット･リーの使い方も『ブラック･ダイヤモンド』と違って正しいでしょう。
飛雪役のマギー・チャンが浅野温子に見えてしまうのがちょっと・・・
「残剣」の死に方はちょっとあっさり過ぎ？
ワダエミの色の使い方は、何かの映画で観たような感じですが、それでもあの色の使い方はいいと思いました。
予告編を見た時点では、それほど、魅力を感じなかったのですが、スケールだけは大きそうだと思い、たまたま時間が合って観ることができ、よかったです。
評価：７１点
【監督】チャン・イーモウ Zhang Yimou
【脚本】リー・フェン Li Feng、チャン・イーモウ Zhang Yimou
【撮影】クリストファー・ドイル Christopher Doyle
【音楽】タン・ドゥン Tan Dun
【衣装デザイン】ワダエミ 『乱』などの衣装デザインも担当しています
【出演】
ジェット・リー Jet Li（無名（ウーミン）役）、
トニー・レオン Tony Leung（残剣（ツァンジェン）役）、
マギー・チャン Maggie Cheung（飛雪（フェイシエ）役）、
チャン・ツィイー Zhang Ziyi（如月（ルーユエ）役）、
ドニー・イェン Donnie Yen（長空（チャンコン）役）、
チェン・ダオミン Chen Dao-Ming（秦王（チンワン）役）
【製作国】中国
【上映時間】１時間３９分
２００２年作品
