伊賀忍法帖

 『魔界転生』の原作者でもある山田風太郎の原作ですが、いずれも設定や展開が強引な感じがあり、これは脚本のせいではないのだろうと思いました。もっとも原作は読んでいませんので断定はできませんが。

 ストーリーは、右京太夫(渡辺典子)を自分のものにしたい松永弾正久秀(中尾彬)が、右京太夫と双子の篝火(渡辺典子)の涙から惚れ薬を作り、それを右京太夫に飲ませようとします。大切な篝火を殺された伊賀忍者の笛吹城太郎(真田広之)が右京太夫を救おうと、妖術師の果心居士(成田三樹夫)たちと戦います。

 黄色いゲロを吐きかける妖術?が出てきたり、東大寺大仏殿を炎上させたりと、やりたい放題ですが、それが効果的なのか疑問を感じます。

 ただ、一見はちゃめちゃに思えるこの映画も、史実に基づくものもあります。松永久秀は戦国時代に実在した大和の武将で、東大寺大仏殿焼失の首謀者と言われています。三好氏に仕え、やがて実力をつけて第13代将軍足利義輝を殺害し、畿内を支配したが織田信長に反逆して敗れたと言います。最後は大和信貴山城で籠城し、天守閣で信長がほしがっていた平蜘蛛茶釜を叩き割り、日本初の爆死で自殺したとされています。

 ちょっとした色気と、真田広之のアクションシーンがかろうじて見どころと言えるでしょうか。

 序盤で二度ほど山並の映像が映されます。どこの山なのでしょうか。やはり伊賀でしょうか。

評価:45点

【監督】斎藤光正(さいとう みつまさ)
【製作】角川春樹
【脚本】小川英(おがわ えい)
【原作】山田風太郎(角川文庫版)
【撮影】森田富士郎(もりた ふじお)
【音楽】横田年昭(よこた としあき)
【主題歌】「愚かしくも愛しく」 作詞:阿木燿子、歌・作曲:宇崎竜童、編曲:朝川朋之
【アクションアドバイザー】千葉真一
【衣装アドバイザー】コシノジュンコ
【出演】
 真田広之(笛吹城太郎役) 『ラスト サムライ』にも出演しています、
 渡辺典子(第一回主演)(篝火/右京太夫/鬼火(三役))、
 中尾彬(松永弾正久秀役)、
 美保純(漁火役)、
 成田三樹夫(果心居士(かしんこじ)役)、
 千葉真一(柳生新左衛門役) 『キル・ビル』にも出演しています、
 ストロング金剛(改・小林)(金剛坊役)、
 風祭ゆき(羅刹坊(千鳥)役) 『天と地と』にも出演しています、
 松橋登(三好義興役)、
 福本清三(虚空坊役) 『ラスト サムライ』にも出演しています、
 佐藤蛾次郎(水呪坊役)、
 浜田晃(破軍坊役) 『天と地と』にも出演しています、
 田中浩(服部半蔵役)

【上映時間】1時間40分
【製作】東映、角川春樹事務所
1982年作品

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