冒頭は、湖畔からの風景です。花が風に揺れ、雲が流れています。宮崎駿作品は、自然描写が優れているのがうれしいです。花の種類も、しっかり描き分けています。１輪のみの花や総状花序の花、イネ科のような花などが見られます。その草原に、キキ（高山みなみ）が寝そべって空を見ています。ラジオからは天気予報が流れています。それを聞いて走って家に戻ります。庭の花は、先ほどの野草とは違って、園芸種です。１３歳のキキは、天気がいい満月の夜になりそうだということで、魔女の修行への出発を決めたのです。
そして、箒にまたがり、下手な飛び方で、南へ飛んでいきます。お父さん（三浦浩一）にもらったラジオのスイッチを黒猫のジジ（佐久間レイ）に入れてもらうと、荒井由実の『ルージュの伝言』がかかり、「魔女の宅急便」の題が表示されます。
たどり着いたのは、海辺の町。どうみてもヨーロッパ風です。さらに言えば南欧のイタリアあたりのイメージでしょうか。パン屋の空き部屋で暮らすことになります。そして空を飛ぶことしかできないということで、宅急便の仕事をすることに。地図と箒で仕事をします。
ジジのキャラクターが面白いです。キキをからかったり、皮肉を言ったり。でも途中から魔法の力が弱り、ジジとも話ができなくなってしまいます。魔女修行中にスランプを経験します。でも、最後にはハッピーエンドに。
過去、何度この映画を見たことでしょう。テレビでも１０回以上も放送されています。いつも元気をもらいます。登場人物はみんな気持ちのいい性格です。
最後は、荒井由実の『やさしさに包まれたなら』も流れます。
評価：８３点
【監督・脚本・プロデューサー】宮崎駿
【原作】角野栄子（かどの えいこ）（福音館書店刊）
【撮影】杉村重郎（すぎむら しげお）
【音楽】久石譲 （『トンマッコルへようこそ』などの音楽も担当しています）
【声の出演】
高山みなみ（魔女のキキ／画家のウルスラ役） （『名探偵コナン 天空の難破船（ロスト・シップ）』の江戸川コナンの声なども担当しています）、
佐久間レイ（黒猫のジジ役）、
戸田恵子（パン屋のおソノさん役） （『ザ・マジックアワー』などにも出演しています）、
山口勝平（トンボ（コポリ）役） （『名探偵コナン 迷宮の十字路（クロスロード）』の工藤新一の声なども担当しています）、
加藤治子（老婦人役）、
関弘子（老女中バーサ役）、
井上喜久子（ファッションデザイナーのマキ役）、
信沢三恵子（キキの母 コキリ役）、
三浦浩一（キキの父 オキノ役）、
土井美加（マキの姉でケットの母役）、
渕崎ゆり子（ケット役）、
浅井淑子（ケットの祖母役）、
土師孝也（ケットの父親役）、
小林優子（占いができるという先輩魔女役）、
田口昂（デッキブラシのおじさん役）、
斎藤昌（リウマチのドーラ婆さん役）、
西村知道（時計番のおじさん役）、
山寺宏一（おソノさんの旦那/警官/アナウンサー役）、
辻親八（ホテルのフロント係役）、
鍵本景子（パイを届けられる少女役）、
大塚明夫（飛行船の船長役）、
坂本千夏（さかもと ちか）（赤ん坊役）
【上映時間】１時間５２分
【初公開日】1989年7月29日
【洋題】KIKI'S Delivery Service
【製作】「魔女の宅急便」製作委員会 徳間書店・ヤマト運輸・日本テレビ放送網
【協力】電通
【制作】スタジオ ジブリ
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