『M:i-2』などに出演しているアンソニー・ホプキンスと『コールド マウンテン』などに出演しているニコール・キッドマン、さらに『スターリングラード』などに出演しているエド・ハリスも共演しているという豪華キャストのため、立派な映画に仕上がっているが、ストーリーとしての展開はそれほどでもない。一流のキャストと、テーマ、設定の特殊さにおいて、話題作になっただけと感じました。
「山登りが大好き 登頂で大感激 でも その倍ワクワクする 頬をよせたダンス 魚釣りが大好き 川岸は さわやか でも それ以上に楽しい 頬をよせたダンス」(Oh! I love to climb a mountain And to reach the highest peak But it doesn't thrill me half as much As dancing cheek to cheek Oh! I love to go out fishing In a river or a creek But I don't enjoy it half as much As dancing cheek to cheek)と音楽に合わせてシルク教授が踊りながら口ずさみます。そして若い作家の青年ネイサン・ザッカーマンに「踊ろう」と声をかけます。シルク教授は若いわけあり女性フォーニア・ファーリー（ニコール・キッドマン）に恋をしてしまい、その喜びを表現しないではおられなかったのです。そんなシーンで使われた歌が、上記の歌詞の、"Cheek to Cheek"（邦題は「頬を寄せて」）です。1935年に、アーヴィン・バーリン(Irving Berlin)によって作詞・作曲されました。歌うのは、フレッド・アステア(FRED ASTAIRE) です。元は、映画『トップ・ハット』(TOP HAT)の中で歌われたそうです。
雪道などのシーンがありますが、主にカナダのケベック州で撮影されたようです。「白いカラス」という邦題もなかなか考えられていますね。映画の中で出てくるのは黒いカラスですが。フォーニアは、野鳥保護施設などで働いているのです。ただ、邦題と原題では、この映画のテーマが微妙にずれて捉えられてしまうところがあるかもしれません。
評価：６１点
【監督】Robert Benton ロバート・ベントン
【原作】Philip Roth フィリップ・ロス『ヒューマン・ステイン』（集英社刊）
【脚本】Nicholas Meyer ニコラス・メイヤー
【撮影】Jean-Yves Escoffier ジャン＝イヴ・エスコフィエ
【音楽】Rachel Portman レイチェル・ポートマン
【出演】
Anthony Hopkins アンソニー・ホプキンス（コールマン・シルク教授役）、
Nicole Kidman ニコール・キッドマン（シルク教授を誘うフォーニア・ファーリー役）、
Ed Harris エド・ハリス（フォーニアの元夫 レスター・ファーリー役）、
Gary Sinise ゲイリー・シニーズ（森に一人でこもる作家 ネイサン・ザッカーマン役）、
Wentworth Miller ウェントワース・ミラー（青年時代のコールマン・シルク役）、
Jacinda Barrett ジャシンダ・バレット（スティーナ・ポールソン役）、
Anna Deavere Smith アンナ・ディーヴァー・スミス（ミセス・シルク役）、
Kerry Washington ケリー・ワシントン（エリー役）、
Clark Gregg クラーク・グレッグ（ネルソン弁護士役）
【上映時間】１時間４８分
【原題】THE HUMAN STAIN
【製作国】アメリカ
【製作年】2003年
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