山溪カラー名鑑 日本の山1000

 オールカラー写真で、約770ページにわたり日本の山1000座が紹介されています。最大の特徴はなんといってもこの全ての山のカラー写真が見られることです。山の容姿を見ればある程度、それがどんな雰囲気の山かがわかるものです。「百聞は一見に如かず」ではありませんが、多くの文章を書き連ねるより、1枚の写真の方が説得力を持つことがあります。もちろん、山の姿も見る角度や季節などにより、様々な姿を見せるわけですし、写真だけではわからない面もたくさんあります。本書は、たくさんの解説はありません。解説のスペースよりも写真の方が大きいのです。しかも、その写真は、その山の最もいい表情を見せているのではないかというほどいいものばかりだと思います。

 山と溪谷社の本は、以前からカラー写真を多用していて、これが白黒写真だったら、もう少し安く買えるのではないか、なんて思ったこともありますが、本書は、大きく美しいカラー写真で、価値の伴ったものであると思います。

 『日本百名山』(朝日文庫)に比べれば10倍もの山が紹介されていることになりますので、全国にはどんな山があるかを容姿とともに簡単に知りたい場合には満足のいくものになるかと思います。さらに多くの山の詳細を知りたい場合には、解説がメインで約4300の山が紹介されている、『新日本山岳誌』(ナカニシヤ出版)などが便利かもしれません。

 山溪カラー名鑑のシリーズには、他に、『日本の野草』、『日本の樹木』、『日本の高山植物』などがあります。


 紹介されている山の内訳は以下の通り。

北海道:利尻山など102座
東北:縫道石山など163座
関東:二岐山など106座
甲信越:ドンデン山など131座
日本アルプス:朝日岳など77座
東海・北陸:天城山など100座
近畿:西方ガ岳など104座
中国:蘇武岳など88座
四国:星ガ城山など57座
九州:足立山など72座


【発行所】山と溪谷社
1992年10月1日 1刷発行
1992年12月1日 2刷発行

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