蝉しぐれ

　藤沢周平原作の映画は、どれも今ひとつなのですが、その中でも、『たそがれ清兵衛』＞『隠し剣 鬼の爪』＞『蝉しぐれ』という順序で、本作品は最低でした。悪いというほどではないのですが、良いところがほとんどないと言った方が正確かもしれません。確かに、じっくりと描かれ、部分的には細かな演出もあるのですが、全体としてはインパクトがなく、締まりがないように感じてしまうのです。３作目で、もう飽きてしまったのもあるのかもしれませんが。もっとも、監督は前２作の山田洋次ではなく、黒土三男となっていますが。

　残雪の山が大きく映っていましたが、やはり月山でしょうか。撮影は、庄内、新潟、長野、彦根、近江八幡、京都、千葉、水戸とあちこちで行われたようです。組屋敷のセットは山形県羽黒町で、金峰山、母狩山、月山、鳥海山が見渡せる場所に建設されたそうです。

評価：５０点

【監督・脚本】黒土三男
【原作】藤沢周平 『蝉しぐれ』（文春文庫刊）
【撮影監督】戸澤潤一
【撮影】釘宮慎治
【音楽】岩代太郎
【出演】
　市川染五郎（牧文四郎役）、
　木村佳乃（文四郎の幼馴染 ふく役）、
　ふかわりょう（文四郎の親友 小和田逸平役）、
　今田耕司（江戸に行っていた文四郎の親友 島崎与之助役）、
　原田美枝子（文四郎の母 登世役）、
　緒形拳（文四郎の父 牧助左衛門役）、
　小倉久寛（小柳甚兵衛役）、
　石田卓也（子供時代の文四郎役）、
　佐津川愛美（子供時代のふく役）、
　久野雅弘（子供時代の逸平役）、
　岩渕幸弘（子供時代の与之助役）、
　根本りつ子（ます役）、
　山下徹大（矢田作之丞役）、
　利重剛（石栗弥左衛門役）、
　矢島健一（相羽惣六役）、
　渡辺えり子（おとら役）、
　原沙知絵（淑江役）、
　麿赤兒（尾形役）、
　田村亮（ふくと子を一時かくまう藤次郎役）、
　三谷昇（舟を持っている権六役）、
　大滝秀治（関口晋助役）、
　大地康雄（青木孫蔵役）、
　緒形幹太（犬飼兵馬役）、
　柄本明（磯貝主計役）、
　加藤武（牧助左衛門に腹を切らせた主席家老の里村左内役）
【上映時間】２時間１１分
２００５年作品
【公式サイト】http://www.semishigure.jp/

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