女子プロレスを題材にした映画には、『GAEA GIRLS ガイア・ガールズ』があります。長与千種率いる女子プロレス“GAEA JAPAN”を舞台にした映画ですが、これはイギリス人スタッフによる製作です。一方、『ワイルド・フラワーズ』は、純粋な日本映画です。また、『GAEA GIRLS ガイア・ガールズ』がドキュメンタリー映画なのに対し、『ワイルド・フラワーズ』は純粋な娯楽映画といえるでしょう。そして単なる娯楽ではなく、全く飽きることなく最後まで見ることができる良くできた映画といえるでしょう。
興行と格闘技の両面を持つ女子プロレスですが、その両面が描かれていますし、そのバランスがとても良くて、それがこの映画のいいところだと思います。ラストもなかなかいい。
ガリンペイロという女子プロレス団体の女性社長アイアン飯島（高畑淳子）が癌で死亡し、医師をしていた息子、細谷伸一（岡田義徳）がその後釜に担がれます。また、二人の新人が入団します。その一人、桐島みどり（鈴木美妃）は、強い女性にあこがれて志願して入団しますが、そう簡単には勝てません。でもハードな女子プロレス界の中にあって美貌とスタイルの良さをもち、負けっぷりも悪くなく人気が出てきます。もう一人の中島涼子（石川美津穂）は、喧嘩強く、スカウトされて入団しますが、新人戦でも相手を秒殺してしまい、興行としては盛り上がりません。でもその圧倒的な強さに人気が出ます。若い社長のキャラクターもあり、低迷していた人気が上昇してきますが、そんなとき、金庫のお金を持ち逃げされてしまい、倒産の危機を迎えます。Ｊリングという団体の社長豊島（麿赤兒）に、二人の引き取りなどの提案を受け、タッグマッチなどの試合をします。ところが、ガリンペイロの二人が相手を負かしてしまいます。これではおさまらないので再試合をすることに。ガチンコ勝負と興行（ビジネス）の狭間で二者択一をしなければならないことになるのか。もちろんラストでその結末がわかります。
主演の女子プロレスラー二人はどんな人だろうと調べると、中島役の石川美津穂は、プロレスラー経験のある人でしたが、桐島役の鈴木美妃は、プロレス経験などない新人女優なのでした。これには驚きました。見ていて、全く違和感がありませんでした（詳しい人ならわかるのかな？）。演技に違和感があったのは、ジャガー横田ぐらい。一言ながらとても重要なキーポイントとなっていますが、残念ながらその後の流れを計りかねる演技でした。
最初の画面は「ガリンペイロ(Garinpeiro)」の画像です。制作会社の名前なのかもしれませんが、女子プロレス団体の名前に使われています。その絵は、山をバックに女性が鳶か何かを手に持っている絵です。
評価：７２点
【監督】小松隆志（こまつ たかし）
【原作・脚本】ＥＮ
【プロデューサー】榎本憲男
【撮影】坂江正明（さかえ まさあき）
【音楽】遠藤浩二
【エンディングテーマ曲】「部屋」 作詞：ＥＮ、作曲：bice、唄：bice＆及川りん
【出演】
鈴木美妃（新人）（女子プロレスに入門する桐島みどり役）、
石川美津穂（いしかわ みづほ）（スカウトされる中島涼子役）、
岡田義徳（おかだ よしのり）（ガリンペイロ女子プロレスの社長になる細谷伸一役） （『下妻物語』にも出演しています。）、
麿赤兒（Ｊリング社長 豊島敬吾役）、
東城えみ（木幡郁美役）、
キューティー鈴木（田島博子役）、
つぐみ（芝山絵里香役）、
マギー（立花役）、
二階堂智（リングアナ 西城役）、
ジャガー横田（ジャガー役）、
高畑淳子（アイアン飯島こと細谷美智子役）、
ザ・ブラディー、
ファング鈴木、
救世忍者 乱丸、
柏田千秋、
桜花由美、
TSUNAMI、
藪下めぐみ、
木下ほうか、
畠山明子、
さとうこうじ、
横山あきお、
中沢清六、
伊藤幸純、
久保晶、
田口主将、
小沢日出晴、
たかだゆうこ、
種子（友情出演）、
遠山俊也、
泉アキ、
芦川誠、
志生野温夫（特別出演）、
うえだ峻
【上映時間】２時間７分
【公開日】2004年10月10日
【製作】「ワイルド・フラワーズ」製作委員会
【配給】東京テアトル＋ザナドゥー
【制作】アスク・コミュニケーションズ
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