本書の特徴は、まず紹介されている山の数が多いことです。本書だけで１１２の項があります。１つの項は見開き２ページにまとめられていて、見やすくなっています。１つの項で２山が紹介されているものもあり、山の数は目次で見ると１１８になります。これらを全て登ろうと思えば、当分は楽しめるでしょう。多くの山に山頂からの展望図が書かれているのも嬉しいことです。全体的な印象としては、多くの山を詰め込んだ割には中身は薄くないという感じです。
別の特徴としては、山域別に並べられているのではなく、河川の流域別に並べられていることです。これは珍しいのではないかと思います。確かに生活圏からすれば、その方がわかりやすいのかもしれませんが、個人的にはちょっと抵抗があります。だいたい、山は２つの隣り合う流域に跨っていることが多いです。それをどちらかの流域に入れてしまうというのはちょっと無理があるのではないかと思うのです。
紹介されている山は以下の通り。
（一）宮川、櫛田川、雲出川流域とその周辺の山
高峰山、大台ヶ原山、仙千代ヶ峰、南亦山、七洞岳、獅子ヶ岳、三条山、迷岳、池木屋山、高見山、三峰山、学能堂山、局ヶ岳、高須ノ峰、白猪山、堀坂山と観音岳、矢頭山、尼ヶ岳、大洞山、住塚山と国見山、倶留尊山
（二）鈴鹿川、野洲川流域の山
経ヶ峰、錫杖ヶ岳、霊山、高畑山と那須ヶ原山、明星ヶ岳、野登山、仙ヶ岳、宮指路岳、入道ヶ岳、雲母峰、綿向山
（三）員弁川、愛知川流域の山
鎌ヶ岳、雨乞岳、御在所山、銚子ヶ口、日本コバ、釈迦ヶ岳、三池岳、竜ヶ岳、銚子岳と静ヶ岳、藤原岳、御池岳と鈴北岳、三国岳、烏帽子岳、鍋尻山と高室山、霊仙山、養老山、笙ヶ岳
（四）揖斐川流域とその周辺の山
伊吹山、虎子山、ブンゲン、貝月山、鎗ヶ先、金糞岳、土蔵岳、横山岳、上谷山、三国岳、三周ヶ岳、美濃俣丸、笹ヶ峰、高丸、蕎麦粒山、五蛇池山、天狗山、権現山、花房山、不動山、千回沢山、釈迦嶺、金草岳、冠山、若丸山
（五）根尾川、神埼川流域とその周辺の山
雷倉、魚金山、妙法ヶ岳、西台山、タンポ、能郷白山、越山、蝿帽子嶺、岩岳、舟伏山、大白木山、屏風山、左門岳、ドウの天井、日永岳、三尾山
（六）板取川、長良川、九頭竜川流域とその周辺の山
姥ヶ岳、荒島岳、平家岳、滝波山、今淵ヶ岳、瓢ヶ岳、高賀山、蕪山、小白山、野伏ヶ岳、薙刀山、願教寺山、銚子ヶ峰、丸山、芦倉山、大日ヶ岳、毘沙門岳、母袋烏帽子、白尾山、鷲ヶ岳、烏帽子岳、日照岳
【編者】日本山岳会東海支部
【発行所】中日新聞本社
1995年12月12日発行
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