大いなる勇者 かなり前の映画でその古さを感じます。いきなり "OVERTURE" （序曲）の文字と静止画で３分間も音楽のみ流れますので、何らかのエラーかと思ったほどです。よく取れば、静止画と音楽でイメージを膨らませる時間、という意味でしょうか。"INTERMISSION"（中断、休憩時間）,"ENTR'ACTE"（幕間の演奏）もありました。つまり、トイレ休憩時間でしょうか。
さて、双胴のボートで西部の大きめの川を下るシーンから始まります。背景には雪の残る山が見えます。そして山の男にあこがれを持つという主人公ジェレマイア・ジョンソン（この名前が原題にもなっています）がボートを降りて登場します。そしてロッキー山脈に向かいます。でも、銃は持っていても鹿にも当たらないし、魚も獲れない。火をおこすことはできてもすぐ消えてしまう。そんな憧れのみで山の男になろうと思った人たちがこの頃には何人もいたのでしょうか。
時代背景としては、１８００年代初期にはビーバーの毛皮売買が盛んで、それで生計を立てていたということです。ただ、夏場は毛が落ちる時期なので、猟期は冬場だったそうです。
そのうち一人の年輩者に会って、経験を積み、一人前の山男になって、また一人で山に向かう。単に山男というのではなく、インディアンの知識も身につけて。そして子供を拾い、インディアンの妻をもらう。適当な場所に家を建て、生活する。スノーシューで雪上を歩くシーンもあります。熊に追いかけられるシーンは調教して撮ったのだろうか、迫力がある。
しかしラストはあまり意味のない復讐劇みたいになってしまって興ざめしてしまいます。
撮影はユタ州の、Uinta National Forest, Wasatch National Foresr, Asyley National Forest, Zion National Park, Snow Canyon State Park で行われたようです。このロケ地のおかげで標高のある雪山がたくさん映っています。ロバート・レッドフォードは実生活でもこのユタ州の山間部に広大な土地を持っていたそうです。
似たような時代、設定で描かれている映画に『ダンス・ウィズ・ウルブズ』がありますが、少なくとも雪山や雪山シーンは『大いなる勇者』の方がかなり多く映っていると思います。
ＤＶＤには、『大いなる勇者』のメイキングにあたる、ミニドキュメンタリー "The Saga of: JEREMIAH JOHNSON" が収録されています。1972年の映画にメイキングがあるのは珍しいと言えるでしょう。
評価：５５点
【監督】Sydney Pollack シドニー・ポラック
【脚本】John Milius ジョン・ミリアス、Edward Anhalt エドワード・アンハルト
【原作】
Vardis Fisher バディス・フィッシャー "MOUNTAIN MAN"、
Raymond W. Thorp レイモンド・ソープ・Robert Bunker ロバート・バンカー "CROW KILLER"
【撮影】Duke Callaghan デューク・キャラハン
【音楽】John Rubinstein ジョン・ルビンスタイン、Tim McIntire ティム・マッキンタイア
【出演】
Robert Redford ロバート・レッドフォード（ジェレマイア・ジョンソン役）、
Delle Bolton デル・ボルトン（インディアンの女性 スワン役）、
Will Geer ウィル・ギア（年輩のベア・クロー（クリス・ラップ）役）、
Allyn Ann McLerie アリン・アン・マクレリー（クレイジー・ウーマン役）、
Stefan Gierasch ステファン・ギラシュ（地面に埋まっていたデル・ギュー役）、
Charles Tyner チャールズ・タイナー、
Josh Albee ジョシュ・アルビー、
Paul Benedict ポール・ベネディクト、
Matt Clark マット・クラーク、
Joaquin Martinez ホアキン・マルティネス
【製作国】アメリカ
【上映時間】１時間４８分
【原題】JEREMIAH JOHNSON
【配給】
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