ファム・ファタール 冒頭はカンヌ国際映画祭のシーン。ゲストのヴェロニカが身にまとっている高価な宝石を盗むところから始まります。そのときに盗賊の一人がロープにぶら下がっていますが、そのときに使用していたのが、クライミングギアのグリグリ（ペツル社製）だったと思います。主に確保器（ビレイデバイス）として使用されているようですが、映画のようにシングルロープでの懸垂下降にも使用できるようです。私は確保器として使ったことがありますが、クライマーを下降させるときのスピード調節が微妙で使いづらいと感じました。
音楽は坂本龍一。冒頭でラヴェル作曲の「ボレロ」そっくりの曲がバックに流れますが、題名は「ボレリッシュ(Bolerish)」なのだそうです。
雰囲気はデイヴィッド・リンチ監督の『マルホランド・ドライブ』でした。しかし、本作『ファム・ファタール』は、難解さにおいても女性の魅力においても、全体的に、残念ながら『マルホランド・ドライブ』を上回るほどの出来ではないと思いました。
題名は、フランス語で「（男にとっての）運命の女」とか「妖女」というような意味なのだそうですが、この映画では男は完全に脇役で、強い女（悪女）のある人生が描かれていると言ってもいいでしょう。
評価：７１点
【監督・脚本】Brian De Palma ブライアン・デ・パルマ
【撮影】Thierry Arbogast ティエリー・アルボガスト
【音楽】坂本龍一
【出演】
Rebecca Romijn-Stamos レベッカ・ローミン＝ステイモス（ロール／リリー役）、
Antonio Banderas アントニオ・バンデラス（カメラマン ニコラス・バルド役）、
Rie Rasmussen リエ・ラスムッセン（カンヌ国際映画祭のゲスト ヴェロニカ役）、
Peter Coyote ピーター・コヨーテ（アメリカ政府役人 ブルース・ワッツ役）、
Eriq Ebouaney エリック・エブアニー（盗賊の一人 ブラック・タイ役）、
Edouard Montoute エドュアルド・モントート（盗賊の一人 ラシーン役）、
Thierry Fremont ティエリー・フレモン（セラ警部役）、
Gregg Henry グレッグ・ヘンリー（大使館員シフ役）、
Fiona Curzon フィオナ・カーソン
【製作国】フランス･アメリカ
【上映時間】１時間５５分
【原題】FEMME FATALE
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