島民のペラギア（ペネロペ・クルス）は、マンドラス（クリスチャン・ベイル）のフィアンセとなりますが、マンドラスはアルバニア戦に赴きます。ペラギアは手紙を出し続けますが、返信は一切なく、愛が枯れ果ててしまいます。
イタリア軍のコレリ大尉は、マンドリンを背負ってケファロニア島にやってきます。プライドの高いドイツ人に対し、イタリア軍は歌を歌ったりバカンスを楽しんだり。連合軍に早く降伏して、イタリアに帰ることを望んでいたりもします。
ペラギアの家に駐留し、優しい心を持ったコレリ大尉に、ペラギアはひかれ、またコレリ大尉もペラギアに好意を抱き、愛し合う仲になります。
ケファロニア島は、実権を握るドイツ軍、駐留するイタリア軍、そして島民であるギリシャ人の三者が共存することになります。しかし、イタリアは先に降伏し、島から撤退することになりますが、ドイツ軍に武器の提供を迫られ、また、無事イタリアに帰国することができないと悟り、ギリシャ人のパルチザンに武器を提供し、ドイツ軍と対峙します。しかし、破れ、銃殺されることになります。
コレリ大尉は重症を負いながらも、奇跡的に生き延び、マンドラスに助けられます。しかしドイツ軍に追いつめられ、夜陰に乗じて舟で脱出し、イタリアに帰国します。その後、ドイツも降伏しますが、ケファロニア島は大地震に見舞われます。
ただ、ドイツ軍によるイタリア兵殺害は、史実では3000人とも言われているようですが、映画の中でも極めて小規模で、しかもあまり感情移入できず、逆にコレリ大尉が生き延びたことにほっとしてしまうほどで、また1953年8月に発生したという大地震にしても、実際には、島のほとんどの町村で建物が崩壊したほどだったのに、映画ではこんな出来事がありましたよ、程度の描かれ方しかされていません。これは、ラブ･ストーリーに主眼を置くためにあえて悲劇を控え目に描いたのかもしれませんが、このあたりについては、もう少し感情移入できたら映画としても傑作になっていたかもしれないと思ってしまいました。
さらに、最後に、戦後コレリ大尉がイタリアからケファロニア島に戻ってくるのですが、それがかなり遅くなった理由は描かれていません。想像するしかないのですが、その辺り、少しぐらい説明があってもよかったのではないかとも思いました。
基本的にはしっかりした構成の映画になっていますが、ケファロニア島の歴史もしっかり語られています。ケファロニア島は、ギリシャにある島で、東（トルコ側）のエーゲ海ではなく、西のイオニア海にあり、その西にはイタリアがあります。ロケは全てケファロニア島のようで、海と山のある綺麗な景色も見られます。
ペネロペ・クルスの彫りの深い独特な顔立ちからギリシャ人なのかな、と思い、調べてみると、スペイン出身でした。そういえば『トリコロールに燃えて』でも、スペイン人をしっかり演じていました。
もちろん、ニコラス・ケイジもはまっていました。マンドラスの母 ドロスーラを演じたイレーネ・パパスはギリシャ人です。
本作品で私が感じた見どころを列記しておきます。
・ケファロニア島の第二次世界大戦
・陽気なイタリア軍（ほんまかいな？）
・マンドリンなどの音楽
・ハッピーエンドのラブストーリー
・ケファロニア島の景色（海と山）
・はまり役のニコラス・ケイジ
・ペネロペ・クルスの美しさ
評価：６４点
【監督】John Madden ジョン・マッデン
【脚本】Shawn Slovo ショーン・スロヴォ
【原作】Louis de Bernieres ルイ・ド・ベルニエール 『コレリ大尉のマンドリン』
【撮影】John Toll ジョン・トール
『ラスト サムライ』などの撮影も担当しています。
【音楽】Stephen Warbeck スティーヴン・ウォーベック
【出演】
Nicolas Cage ニコラス・ケイジ（アントニオ・コレリ大尉役）、
Penelope Cruz ペネロペ・クルス（ペラギア役）、
John Hurt ジョン・ハート（ペラギアの父 イアンニス医師役）、
Christian Bale クリスチャン・ベイル（ペラギアの婚約者 マンドラス役）、
David Morrissey デヴィッド・モリッシー（ドイツ軍のグンター役）、
Irene Papas イレーネ・パパス（マンドラスの母 ドロスーラ役）
【製作国】アメリカ
【原題】CAPTAIN CORELLI'S MANDOLIN
【上映時間】２時間３分
２００１年作品
【公式サイト】http://www.movies.co.jp/corellis/index.html
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