ホワイト・インフェルノ

 アメリカのTVムービーです。邦題は、安易に1974年の『タワーリング・インフェルノ』以来続く「インフェルノ」シリーズ(?)になっていますが、原題は、"TRAPPED: BURIED ALIVE" です。"TRAPPED" は、「わなにはまる、追い込まれる」というような意味で、"BURIED ALIVE"(ベリード・アライブ)は、「生き埋めになる」です。つまり、邦題と合わせ、「雪崩」映画であることがわかります。邦題(直訳は「白い地獄」?)では、「ホワイト」で「雪」がらみのパニック映画であることは想像できますが、「雪崩」かどうかはわかりません。「ホワイト」は、2000年の織田裕二主演の邦画、『ホワイトアウト WHITEOUT』からとっているのかもしれません。

 ロケは、カナダに近いヴァーモント州のキリングトンスキーリゾート(Killington Ski Resort)で行われたようです。映画の題材もそのままスキーリゾートでの雪崩です。

 冒頭から雪山の映像です。そして雪庇を爆破させ雪崩を発生させるシーン。スノーシューで歩いてダイナマイトをセットします。スキー場の雪崩防止対策です。スキー場の北側は終了しますが、南側は中止となります。もうリフトを動かして営業を始めてしまうのです。仕方なくヒールフリーのスキーで下ってきます。

 雪崩は予想外に早く発生します。雪崩から逃れるのがメインではなく、雪崩がスキー場を襲った後、ロッジに生き埋めにされた人々に焦点が合います。合成や作り物の雪もありますが、『アバランチ 雪崩』ほどは気になりません。

 雪崩の映画というと、『フローズン・ハザード』がなかなかよく出来ていました。この映画に対し、本作品は、雪崩そのものよりも、人間ドラマがしっかり描かれているのが特徴でしょう。父娘の家庭に入った後妻と娘との関係、女性軽視をする男性など、設定が結構リアルに感じました。ただ、これらがロッジに生き埋めにされ、助かろうと協力することで解決されていくのはちょっとベタな感じもしますが。でも最後にちょっと泣けます。

 また、最初の雪崩でなく、その後の二次災害にウィエトが置かれて描かれているようにも感じました。救出方法の失敗や、第二の雪崩発生への対応などが出てきます。このあたり、やはりスキーが身近にある土地柄なのか、しっかりしていると思いました。

評価:67点

【監督】Doug Campbell ダグ・キャンベル
【脚本】Tim McKay ティム・マッケイ
【撮影】James Mathers ジェームズ・マシアース
【音楽】Andrea Saparoff アンドレア・サパロフ
【出演】
 Gabrielle Carteris ガブリエル・カーテリス(マイケルの後妻エミリー・クーパー Emily Cooper 役)、
 Jack Wagner ジャック・ワグナー(建築士マイケル・クーパー Michael Cooper 役)、
 Aubrey Dollar オーブレイ・ドーラー(マイケルの娘ペイジ・クーパー Paige Cooper 役)、
 Morgan Rusler(クレアの夫でスキー場職員 A.J.役)、
 Wendy Davis(スキー雑誌記者モニーク Monique 役)、
 Mike Graybeal マイク・グレイビール(レノの息子 アレックス Alex Riley 役)、
 Mark Lindsay Chapman マーク・リンゼイ・チャップマン(アレックスの父 レノ Reno Riley 役)、
 John J. Fleming ジョン・フレミング(スキー場職員カール Karl Clark 役)、
 Jennifer Jean Snyder(妊娠中のクレア Clair 役)、
 Phil Coccioletti(ダニー Danny 役)、
 Frank T. Wells(スキー場ロッジのオーナー フィンリー Finley 役)、
 Edsel Hughes(Stanley 役)、
 Celeste Oliva(ニュース・レポーター役)
【製作国】アメリカ
【上映時間】1時間36分
【原題】TRAPPED: BURIED ALIVE
2002年作品

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