アレキサンダー 昼食後に観たこともあるかもしれませんが、睡魔に襲われながら、３時間近い時を過ごしました。プトレマイオスの回想という形で話が始まりますが、冒頭からいきなりその話が長い。それで一気に眠りに誘われてしまいました。話が進んでもアレキサンダー大王の生涯を坦々と描いているだけで、大して盛り上がらないし、気をひくようなエピソードもあまりない。嘘でもいいから目の覚めるようなエピソードかシーンがほしかった。お金をかけて映像を作れば、脚本なんてどうでもいいと思っているのだろうか。
まあ、アレキサンダー大王の生涯を映画を観ながら簡単に知りたいと思うなら観てもいいかもしれませんが。アレキサンダーは紀元前356年に誕生する。父フィリッポスが何者かに暗殺され、若干20歳にして王位を継ぐ。小国マケドニア（ギリシャ北部）の王がアケメネス朝の大国ペルシャ帝国を破り、そしてインドまで進出していく。そして32歳で生涯を終える。
現在でもエジプト第二の都市としてアレキサンドリアがあるが、プトレマイオス朝時代の首都であり、クレオパトラはこの時代後期の女王であった。当時アレキサンダーはアレキサンドリアという都市をいくつもつくり、ギリシャ文明を広げた。これをヘレニズムという。アフガニスタンのカンダハルもその一つだという。そしてインドにあった仏教にそれまで無かった仏像というものを導入させた。つまり仏像はギリシャ彫刻が起源なのであるという。ただ総製作費200億円とお金はかけているようで、象に乗るインドと馬に乗るアレキサンダーの隊との戦いなど面白い設定もある。また、現地かどうかは知らないがヒンドゥークシュ山脈越えのシーンもある。ロケ地は、モロッコやタイなどだという。このタイのプロダクションは『星になった少年 Shining Boy & Little Randy』でも、象とともに活躍したようです。
できが悪いだけあって、ラジー賞（ゴールデン・ラズベリー賞）のワースト作品賞、主演男優賞（コリン・ファレル）、主演女優賞（アンジェリーナ・ジョリー）、監督賞、助演男優賞（ヴァル・キルマー）、脚本賞にノミネートされたのは納得である。
オリヴァー・ストーン監督の映画ではそこそこのものはあったものの、これはいい、というほどのものには出会っていない。主演のコリン･ファレルは、アレキサンダーの役にはどうも貧相に見える。『炎のランナー』や『南極物語』でも音楽を担当したヴァンゲリスはギリシャ出身だったのですね。
評価：４２点
【監督】Oliver Stone オリヴァー・ストーン
【製作】
Moritz Borman モリッツ・ボーマン、
Jon Kilik ジョン・キリク、
Thomas Schuhly トーマス・シューリー、
Iain Smith イアイン・スミス、
Oliver Stone オリヴァー・ストーン
【脚本】
Oliver Stone オリヴァー・ストーン、
Christopher Kyle クリストファー・カイル、
Laeta Kalogridis レータ・カログリディス
【撮影】Rodrigo Prieto ロドリゴ・プリエト
『８ Ｍｉｌｅ』、『ブロークバック・マウンテン』、『ポアゾン』などの撮影も担当しています。
【音楽】Vangelis ヴァンゲリス
【出演】
Colin Farrell コリン・ファレル（マケドニア王アレキサンダー役）、
Angelina Jolie アンジェリーナ・ジョリー（フィリッポスの妻オリンピアス役）、
Val Kilmer ヴァル・キルマー（アレキサンダーの父でありマケドニア王のフィリッポス役）、
Anthony Hopkins アンソニー・ホプキンス（アレキサンダーの部下でありエジプト王のプトレマイオス役）、
Jared Leto ジャレッド・レトー（アレキサンダーの親友ヘファイスティオン将軍役）、
Rosario Dawson ロザリオ・ドーソン（バクトリア王女でアレキサンダーの第一夫人となるロクサネ役）、
Jonathan Rhys-Meyers ジョナサン・リス＝マイヤーズ（将校カッサンドロス役）、
Gary Stretch ゲイリー・ストレッチ（クレイトス役）、
Christopher Plummer クリストファー・プラマー（アレキサンダーの家庭教師アリストテレス役）、
Connor Paolo コナー・パオロ（少年のアレキサンダー役）
【製作国】アメリカ
【原題】ALEXANDER
【上映時間】２時間５３分
２００４年作品
【公式サイト】http://alexanderthemovie.warnerbros.com/