1リットルの涙

 不治の病を題材にした映画は山ほどありますが、この映画は直球で描かれています。題名からしてかなり泣ける映画なのかと思いましたが、意外に泣かせるようなシーンは少なく、逆に元気にがんばるシーンが多かったのは好感が持てます。「1リットルの涙」はあくまで人前では見せず、それを乗り越えた上に、あの元気さが現われているのでした。

 この映画では、14歳で脊髄小脳変性症という不治の病にかかった女性が主人公で、実話に基づいています。役名も実名です。題材と主人公の若さから、テレビドラマ化されたのもわかりますが、ドラマの方は沢尻エリカ主演で、母役を薬師丸ひろ子が演じていますが、実名ではありません。

 主演の大西麻恵は熱演でした。その演技はとてもリアルに見えました。母役のかとうかずこと友情出演の森山周一郎は舞台と同じ愛知県出身。森山周一郎はほんの一瞬の顔見せ程度でしたが。主治医を演じた鳥居かほりは、身近に同様の病気を持った人がいるとのこと。パン屋の松金よね子は、人情味あふれるとても重要な役を演じています。また、『青い山脈』などに出演している浜田光夫が父役として友情出演しています。

 豊橋などがロケ地のようで、豊川、吉田城鉄櫓、路面電車など、豊橋の風景が合間合間に何度も映されています。そして周辺の低山も何度か画面に映っています。渥美半島の蔵王山や、本宮山が確認できました。全国に先駆けて2004年10月に豊橋で初上映もされました。

評価:67点

【監督】岡村力
【脚本】田中貴大、山本文太
【原作】
 木藤亜也 「1リットルの涙」(幻冬舎文庫)、
 木藤潮香 「いのちのハードル」(幻冬舎文庫)
【撮影】中村隆信
【主題歌】「空へ」 作詞:沢ちひろ、作曲&編曲:RIKU、唄:加藤郁子
【医療コンサルタント】山本\子(藤田保健衛生大学教授)
【出演】
 大西麻恵(おおにし あさえ)(木藤亜也(きとう あや)役)、
 かとうかずこ(亜也の母 木藤潮香(きとう しおか)役)、
 鳥居かほり(主治医 山本\子(やまもと ひろこ)役)、
 芦川よしみ(寮母のさと役)、
 松金よね子(パン屋のハル役)、
 浜田光夫(亜也の父 木藤瑞生役)(友情出演)、
 速水亮(入院患者役)(友情出演)、
 森山周一郎(リハビリ室の患者役)(友情出演)
【上映時間】1時間38分
【製作】オールアウト
【撮影協力】愛知県豊橋市、愛知県立豊橋東高等学校、愛知県立豊橋養護学校、愛知県立岡崎養護学校、
 豊橋市民病院、豊橋障害者福祉会館さくらピア
【配給】1リットルの涙上映委員会
文部科学省選定作品、厚生労働省 社会保障審議会 推薦作品、青少年映画審議会推薦作品
2004年作品
【公式サイト】http://www.allout.co.jp/movie.htm

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