竹島水族館の本 その名もずばり、『竹島水族館の本』。ただ、内容は、深海生物図鑑が半分以上の74ページを占めています。そして、後半は、竹島水族館のＶ字回復ストーリーとなっています。確かに、竹島水族館の売りは、深海生物かもしれません。ただ、タカアシガニやオオグソクムシなど、ごく一部のそこそこ知られた生物を除けば、名前すら聞いたことがない生物です。もちろん、竹島水族館へ行けば、基本的に見られる生物ですが、竹島水族館の中でも、スルーしてしまう裏側の小さな水槽に多くの深海生物がいたりします。よほどの常連や深海生物好きにとっては垂涎の本だとは思いますが、一般受けは難しそうです。
ただ、後半のＶ字回復ストーリーは読み物としておもしろく、竹島水族館の魅力満載となっています。読めばまた行きたくなります。それが半分以下のページで、しかも後半に書かれているのが残念です。だからでしょうか、その約３年半後に、『驚愕！竹島水族館ドタバタ復活記』という読み物中心の本が同じ風媒社から出版されました。読み物としてはそちらをお勧めします。よって、この本が出版された後では、こちらの本は、単なる「竹島水族館の深海生物図鑑」となったと言っていいでしょう。
深海生物は、130種が全てきれいなカラー写真付きで紹介されています。実際に水族館でもじっくり観察したくなりました。
目次（大項目のみ）
ようこそ竹島水族館へ
竹島水族館 深海生物図鑑
伝統引き継ぐアシカショー
人気の秘密ここにあり！
こんな楽しみ方はいかが？
【著者】蒲郡市竹島水族館
【発行所】風媒社
【発行日】2016年12月10日 第１刷発行
