たはらの自然めぐりIII たはらの海辺の博物誌 『里山ガイドブック』、『巨木・名木100選』に続く、「たはらの自然めぐり」シリーズの３冊目にあたります。田原町は、2003年に赤羽根町、2005年に渥美町と合併し、渥美半島の大半を占める田原市となりました。これにより、北、西、南の三方を、それぞれ三河湾、伊勢湾、太平洋に面する市となり、長い海岸線を有することとなりました。
田原市または渥美半島というと、農業のイメージが強いかもしれません。しかし、これだけの海岸線を有していれば、当然ながら海辺の要素も無視できません。伊良湖岬は有名な観光地です。すぐ隣には恋路ヶ浜もあります。そして近くには日出の石門もあります。
三河湾側には汐川干潟があり、そこそこ名も知れていますが、訪れる人はあまり多くないでしょう。白谷海水浴場、仁崎海水浴場も三河湾にあります。潮の流れの速い伊勢湾岸と太平洋岸に海水浴場はありません。太平洋岸には太平洋ロングビーチなど、サーファーでにぎわう場所があります。そして福江漁港、赤羽根漁港などの港があります。
でも海岸線はこれだけではなく、まだ他にも長く続いています。そしてそのほとんどは地元の人しか知らない場所となっているのではないでしょうか。地元の人もそこにどんな自然があるか、知らない人も多いかもしれません。
そんな有名、無名の海岸には、それぞれの地形や自然環境があり、そこに様々な動物が生活し、また海浜植物などが生育しています。それら、海岸線に沿った地域を網羅して紹介しているのが本書です。
ただ一つ残念なのは、私がコラム１ページを担当して、この本の質が少し落ちてしまったことでしょうか。
目次
観察地マップ
海辺の自然
渥美半島の海辺の地形と地質
海辺の水環境と三河湾の水質
海辺の植物
渥美半島の昆虫 −北上する昆虫−
磯浜の生き物
砂浜の生き物と漁業
干潟の生き物
渥美半島海辺の歴史
コラム１ 田原市の自然公園
伊良湖と柳田國男
コラム２ 伊良湖のタカの渡り
海辺の観察に際して
海辺の観察地
汐川干潟 −干潟で感じる生き物の関係−
コラム３ 三河湾の釣魚の楽しみ
緑が浜２号緑地 −風力発電と公園−
白谷海浜公園 −人工海浜と公園−
姫島 −島の自然−
仁崎から馬草海岸
コラム４ アカウミガメとスナメリ
宇津江から清田海岸
福江干潟 −干潟の自然−
コラム５ たまには海辺の花を撮りに
愛知県栽培漁業センター
伊良湖・西ノ浜
コラム６ 暮らしを守る森林の話
伊良湖岬・古山・恋路ヶ浜
コラム７ アサギマダラの渡り
日出の石門
堀切から和地海岸
土田から越戸海岸
太平洋ロングビーチ・弥八島
新井海岸の化石
コラム８ 遠州灘釣大全
大草から久美原海岸まで
【編集】田原市
【発行】田原市（都市整備部公園緑地課）
平成20年3月 第１刷発行
【参考webサイト】http://www.city.tahara.aichi.jp/section/koen/shizen3.html
