監督は『時計じかけのオレンジ』などの奇才スタンリー・キューブリック。想像通りのラストとなりますが、その描き方があっさりしていていい。全体を通してコメディタッチなのもいい。
白黒映画ですが、あまり違和感がないのは、元々白と黒の色のシーンが多いからでしょう。黒っぽいスーツを着て会議をするシーンや、雪山の映像など。
アメリカの戦闘機がソ連の美しい雪山の上空を飛んでいる。そんな映像が何度も出てきます。冒頭は白い雲海とその上に顔をのぞかせる黒々とした山々。この映像も美しい。これはソ連が最終兵器を開発しているという北極圏のズーホフ島という設定。
ラストは、巨大なきのこ雲の連発シーン。そして、バックに「また会いましょう」のやさしい歌声。誤解を恐れずに言えば、これも美しくさえ感じます。地球の最後というのは客観的に見れば、ある意味美しいのかもしれません。
ピーター・セラーズが演じているのは、イギリス空軍大佐、アメリカ大統領、ドイツ人ストレンジラブ博士の一人三役。観ている間は気づきませんでした。ピーター・セラーズのコメディアンぶりはさすがで、私の中では『チャンス』の印象が強くあります。
評価：７２点
【監督】Stanley Kubrick スタンリー・キューブリック
【脚本】
Stanley Kubrick スタンリー・キューブリック、
Peter George ピーター・ジョージ、
Terry Southern テリー・サザーン
【原作】Peter George ピーター・ジョージ
【撮影】Gilbert Taylor ギルバート・テイラー
【音楽】Laurie Johnson ローリー・ジョンソン
【歌】ヴェラ・リン "We'll Meet Again" （「また会いましょう」）
【出演】
Peter Sellers ピーター・セラーズ（イギリス空軍大佐 マンドレーク、アメリカ大統領、ストレンジラブ博士役）、
Sterling Hayden スターリング・ヘイドン（Ｒ作戦の命令を発するリッパー将軍役）、
George C. Scott ジョージ・Ｃ・スコット（攻撃に賛同するダージドソン将軍役）、
Peter Bull ピーター・ブル（ソ連大使役）、
Keenan Wynn キーナン・ウィン、
Slim Pickens スリム・ピケンズ（カウボーイハットのコング少佐役）、
Tracy Reed トレイシー・リード、
James Earl Jones ジェームズ・アール・ジョーンズ
【製作国】イギリス・アメリカ
【上映時間】１時間３３分
【原題】DR. STRANGELOVE: OR HOW I LEARNED TO STOP WORRYING AND LOVE THE BOMB
１９６４年コロンビア・ピクチャーズ
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