オードリー・ヘプバーンの恋愛物。そんなにハイレベルの出来ではないと思ったのはハンフリー・ボガートが年を取り過ぎているように見えて、オードリー・ヘプバーンとの釣り合いが取れているように見えなかったからか。オードリー・ヘプバーンの魅力は十分で、その魅力は容姿だけでなく、映画の中での振る舞いにもある。
ストーリーは普通の恋愛物とは一味違う。ひねってあるからすんなりとは感動できないのかもしれない。この微妙な展開は感情移入しにくいのかもしれない。
会話の中で、「二人でアンナプルナに登ろう」なんてセリフが入っている。アンナプルナＩ峰は海抜8091mで、1950年にフランス隊によって初登頂されている。人類初の8000m峰の登頂でもあった。この映画は1954年だから、まだこの初登頂が話題だった頃なのだろうか。
１９９５年にリメイクされた『サブリナ』では当然、アンナプルナの話など出てこない。ただ、ライナス役がハリソン･フォードであり、彼ならなんとか大きな違和感なしに見られるのが救いである。ハンフリー・ボガートよりハリソン・フォードの方がいい男で若く見えたから。そういう意味ではリメイク版の方がいい。サブリナ役のジュリア･オーモンドも結構いい。それでもオードリー・ヘプバーンと比べられてしまうのは酷かもしれない。でも、サブリナ役にはジュリア･オーモンドの方が合っている気がする。
評価：６０点
【監督・製作】Billy Wilder ビリー・ワイルダー
【原作】Samuel Taylor サミュエル・テイラー
【脚本】Billy Wilder ビリー・ワイルダー、Samuel Taylor サミュエル・テイラー、Ernest Lehman アーネスト・レーマン
【撮影】Charles Lang Jr. チャールズ・ラング・Ｊｒ
【音楽】Frederick Hollander フレデリック・ホランダー
【衣装】Edith Head エディス・ヘッド
【出演】
Audrey Hepburn オードリー・ヘプバーン（運転手の娘サブリナ役）、
Humphrey Bogart ハンフリー・ボガート（大富豪ララビー家の長男のライナス役）、
William Holden ウィリアム・ホールデン（大富豪ララビー家の次男デヴィッド役）、
John Williams ジョン・ウィリアムズ、
Francis X. Bushman フランシス・Ｘ・ブッシュマン、
Martha Hyer マーサ・ハイヤー、
Marcel Dalio マルセル・ダリオ
【上映時間】１時間５３分
【原題】SABRINA
1954年アメリカ映画