羅生門

 事件は山中で起こる。原作は芥川龍之介の『薮の中』である。てっきり原題も『羅生門』だと思っていたがどうやらそうではないらしい。主に半倒壊した羅生門での雨宿りしながらの会話シーンと、山中のシーンである。あと少し現代でいうところの法廷のシーンなどもあるだけで、非常にシンプルである。主題は『薮の中』という原題の方が的確に現わしている。つまり自分を含め、誰を信用したらいいのだろう、という人間の心理である。ラストの捨て子をもらっていくシーンもその象徴であった。

評価:70点

【監督】黒澤明
【原作】芥川龍之介
【撮影】宮川一夫
【音楽】早坂文雄
【出演】三船敏郎(多襄丸役)、京マチ子(真砂役) 、志村喬(杣売役)、森雅之(金沢武弘役)、千秋実(旅法師役)、本間文子(巫女役)、上田吉二郎(下人役)、加東大介(放免役)
【上映時間】1時間28分
1950年作品

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