ミクロコスモス ジャック・ペランの『WATARIDORI』や『キャラバン』を観て、他にジャック・ペランの映画を観てみようと選んだのが前２本よりも前に製作したこの映画です。
ミクロコスモスとは名前の通り、微小の宇宙・世界のことであり、昆虫が主役である。虫眼鏡で覗いているような、昆虫たちの目で見るその世界はまるで別世界である。我々人間が知っているようで実はほとんど知らない世界がそこに広がっているのだとわかります。
雨粒が水面や地面に落ちるときの映像もミクロの目で見るとまた別世界。まるで雨粒が爆弾のよう。ただ、その爆弾に当たっても虫たちは死なないのが違う。だから虫たちが雨に翻弄されている姿には笑えるだけで済む。
蜂が花の蜜を吸うときに蜂の動きによって羽根に花粉が着く様子、蟻が動き回る様子など様々な虫たちが出てくる。芋虫、ミミズの動きなど、嫌いな人が見たら総毛立つかもしれない。ただ、解説はない。その虫の名前すら出てこない。冒頭にほんのワンフレーズの解説があるだけである。その日本語字幕担当は椎名誠である。音は虫の声がメインと言ってもいい。バックグラウンドで音楽というか効果音程度のものがあるが、虫の声を消さないように控えめであったり、音のない世界での効果音だったりする。歌が１曲入っている。確か冒頭と途中に少しとラスト。同じ歌で、少女のようなか細い声である。虫のイメージだろうか。宮崎駿のアニメでも聴いていそうな感じがした。一見、昆虫の出てくるＴＶ番組に似ているが、解説のないのが一番違うのではないでしょうか。ＴＶ番組では解説により知識欲を満たしてくれるが、この映画はそれがない。純粋に虫たちの行動を観ているだけである。それもまたいい。
評価：５５点
【監督】Claude Nuridsany クロード・ニュリザニー、Marie Perennou マリー・プレンヌー
【製作】
Jacques Perrin ジャック・ペラン、
Christophe Barratier クリストフ・バラティエ、
Yvette Mallet イヴェット・マレ
【脚本】Claude Nuridsany クロード・ニュリザニー、Marie Perennou マリー・プレンヌー
【撮影】
Claude Nuridsany クロード・ニュリザニー、
Marie Perennou マリー・プレンヌー、
Hugues Ryffel ユーグ・リフェル、
Thierry Machado ティエリー・マシャド、
【音楽】Bruno Coulais ブリュノ・クーレ
【製作国】フランス
【原題】MICROCOSMOS Le peuple de l'herbe
【上映時間】１時間１３分
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