月刊 かがくのとも 2022年11月号 からまつ ふじさんに もりを つくる き 『かがくのとも』という5〜6才向けの月刊誌で、2022年11月号（644号）のテーマが、「からまつ」でした。いわゆる「絵本」と言ってもいいと思いますが、絵は写実的で、文字もそれなりにあり、富士山に生えるカラマツとそれを取り巻く環境の説明となっています。
雌花、雄花の絵、雌花が緑色のマツボックリになった絵、茶色くなったマツボックリの絵。これらが2ページに亘る見開きに描かれています。雪崩でカラマツをなぎ倒すシーンも描かれています。そこが春になってカラマツの芽が出るシーンにつながります。芽のほとんどが枯れてしまうことも書かれています。そして、カラマツの一生で終わらず、落ち葉が土になり、他の植物や動物を育てる森になるところまで描かれています。植物はカラマツ以外に4種、動物は8種の名前が登場します。
さらに、折込付録「かがくのとものとも」として、折りたたまれたポスターが1枚あります。表は「いろいろなみとたね」としてカラー写真と名前が書かれています。裏には「作者のことば」として解説が書かれています。カラマツは、中部日本の亜高山帯だけに分布する日本固有種であること、日本で唯一の落葉針葉樹であること、パイオニア植物なので、雪崩で荒れ地になった場所こそが、カラマツが芽吹く条件であること、富士山では標高2400m、五合目周辺でカラマツが見られること、などが書かれています。書いたのは、1943年宮城県生まれで、横浜国立大学を卒業し、植生・植物研究家である菅原久夫氏です。絵は、多摩美術大学グラフィックデザイン学科卒業の切り絵アーティストである福井利佐氏です。
【ぶん】菅原久夫（すがわらひさお）
【え】福井利佐（ふくいりさ）
【発行所】福音館書店
【発行日】2022年11月1日
