パラグライダーの事故で四肢が麻痺した富豪フィリップ（フランソワ・クリュゼ）。妻も亡くしてしまい、自分の介護士を雇うため、面接をする。そんな中、不採用のサインを求めに来た黒人ドリス（オマール・シー）に出会う。不採用のサインがあれば、失業手当がもらえるからと。フィリップはそんな彼に興味を持った。そして試用期間を経て本採用へ。ドリスは、フィリップを障碍者だからと同情などしません。クラシック音楽に造詣の深いフィリップと、スラムに暮らし、クール＆ザ・ギャングが好きなドリス。
フィリップがドリスをパラグライダーに誘うシーンがありました。四肢が麻痺しても空を飛ぶことをやめないフィリップと恐がるドリス。背景はヨーロッパアルプスでしょう。私は、フランスのシャモニーでパラグライダーがたくさん舞っているのを見ました。これだけにぎやかに飛んでいると、以前に飛んでみたいと思った記憶がよみがえり、また飛びたくなりました。もっともツアー旅行中で、そこまでの時間的余裕と自由はありませんでしたが。映画はぱっと見、どこかわかりませんでした。ということは少なくともシャモニーではないかもしれません。でもフランス映画なので、そのあたりのどこかなのでしょう。
２枚組のＤＶＤの１枚は、特典ディスクです。映画本編では、実在のフィリップと介護士もインタビューに答えていました。実際の介護士は黒人ではなく白人で、アブデルという名前ですが、スラム出身者には変わりありません。基本的には実話に忠実に作ってあるようです。
さて、映画としての評価としては、まあよくできているのは確かだと思います。ただ、それほどのものか、というとそうでもない気がします。ストーリーは、まあ稀有とは言え、ありそう、と感じます。たとえ、実話だろうが、そうでなかろうがです。大金持ちと貧乏人との友情なり愛情なり、というものは例えば、『プリティ・ウーマン』など、どちらかというと題材としては定番と言ってもいいぐらいです。男女の愛なら、いわゆるシンデレラ・ストーリーと呼ばれているほどです。それが、身障者と介護者に変わっただけとも言えるかもしれません。
ただ、身障者と介護者のあり方、というテーマとして見るならば、従来の先入観みたいなものを切り崩している部分はあると思います。そういう意味では価値ある映画と言えるでしょう。
評価：７５点
【監督・脚本】Eric Toledano エリック・トレダノ、Olivier Nakache オリヴィエ・ナカシュ
【撮影】Mathieu Vadepied マチュー・ヴァドピエ
【音楽】Ludovico Einaudi ルドヴィコ・エイナウディ
【出演】
Francois Cluzet フランソワ・クリュゼ（富豪で身障者のフィリップ役）、
Omar Sy オマール・シー（介護士になるドリス役）、
Anne Le Ny アンヌ・ル・ニ、
Audrey Fleurot オドレイ・フルーロ、
Clotilde Mollet クロティルド・モレ、
Alba Gaia Kraghede Bellugi アルバ・ガイア・クラゲード・ベルージ、
Thomas Solivres トマ・ソリヴェレ、
Cyril Mendy シリル・マンディ、
Dorothe Brire Mritte ドロテ・ブリエール・メリット、
Salimata Kamate サリマタ・カマテ
【上映時間】１時間５３分
【製作年】2011年
【製作国】フランス
【原題】INTOUCHABLES
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