フル・モンティ 男のストリップ。実は失業者が集まっての金儲けの苦肉の策なのです。何も好きでやっているのではない。失業者が仕方なくやっているのです。悲哀を感じます。でもハッピーエンドでなかなかいい。
ドナ・サマーの「HOT STUFF」や、トム・ジョーンズの「YOU CAN LEAVE YOUR HAT ON」、「フラッシュダンス」など歌のノリもいい。職安で列に並んでいるときに「ホット・スタッフ」に合わせて腰を動かしてしまうあたり、クスッと笑えてしまいます。そういえば「Ｓｈａｌｌ ｗｅ ダンス？」も似たようなシーンがありました。"The Full Monty" とは「素っ裸」の意味で使われています。イギリスの俗語です。でも元々は違っていて、イギリスで仕立屋をやっていた「モンタギュー・バートン(Montague Burton)」のニックネームが、"Monty"。そしてその店でスーツをフルコースで仕立てることを、"The Full Monty" と言ったそうです。「素っ裸」とはまったくの逆の意味のようですが、映画の中で、ストリッパーが使えば、「素っ裸」ということになってしまいます。そしてこの俗語が映画とともにアメリカに伝わったため、アメリカで、"The Full Monty" と言えば「素っ裸」という意味でしかないようです。もっとも日本でも、この映画を知っている人は、ほとんど、「フル・モンティ」＝「素っ裸」だと思っていると思います。
イングランド中央部に位置するヨークシャー地方のシェフィールドが舞台であり、天気予報でペニン山脈が何とか、というセリフがありました。ペニン山脈(Pennine Chain)はイギリスのグレートブリテン島中央部を南北に走る全長約250kmの山脈で、最高峰はクロスフェル山の893m。低くなだらかな山脈ですが、イギリスでは重要な山脈であり、天気にも影響を及ぼしていることは想像するに難くありません。ペニン山脈を挟んで東側がヨークシャー地方で西側がランカシャー地方。シェフィールドはペニン山脈の東麓に位置します。発音は「ペナイン」が正しいそうです。
評価：７３点
【監督】Peter Cattaneo ピーター・カッタネオ
【脚本】Simon Beaufoy サイモン・ビューフォイ
【撮影】John De Borman ジョン・デ・ボーマン
【音楽】Anne Dudley アン・ダッドリー
【出演】
Robert Carlyle ロバート・カーライル（ガズ役）、
Mark Addy マーク・アディ（ガズの親友デイブ役）、
Tom Wilkinson トム・ウィルキンソン（ガズの元上司ジェラルド役）、
Steve Huison スティーヴ・ヒューイソン（自殺未遂のロンパー役）、
Lesley Sharp レスリー・シャープ、
Emily Woof エミリー・ウーフ（ガズの元妻マンディ役）、
Paul Barber ポール・バーバー（黒人のホース役）、
Hugo Speer ヒューゴ・スピアー（ガイ役）、
William Snape ウィリアム・スネイプ（ガズの息子ネイサン役）
【製作国】イギリス
【原題】THE FULL MONTY
【上映時間】１時間３３分
１９９７年作品