「クリクリ」は少女の名です。その父がリトン。ガリスは同じ沼の近くに住む一人暮らしの隣人です。スズランを摘んだり、雨後にエスカルゴを捕ったり、カエルを釣ったりして、町に出てそれらを売ったりして生活しています。そこにはとても美しい自然があります。遠慮がちだけどしっかり者のガリスと図々しいけど憎めないリトン。さらに、運動音痴だけど文学などに詳しいアメデ（アンドレ・デュソリエ）。それぞれがそれぞれの人生を生きますが、お互いにある程度生活に干渉しながら、心を許して暮らしています。元々沼地に住んでいたけど、その後町で成功し、大金持ちになったかえる釣りの名人ペペ（ミシェル・セロー）も登場します。
ガリスとメイドの女性マリー（イザベル・カレ）との恋や、クリクリと金持ちの家で育った男の子との恋も描かれています。ボクサー（ジョー・サルディ）やセネガル人の用心棒も登場します。多くの登場人物がいるにも関わらず、みんな特徴的な設定、性格で、誰が誰だか、ややこしくなるようなことはありません。
1930年代初頭のフランスが舞台です。そんないい時代があった、と言ってしまえばそれまでです。人生の多様性を描いていると言えるかもしれません。ちょっと退屈に思えてしまうテーマかもしれませんが、意外に退屈せずに最初から最後まで集中して観ることができました。
評価：７５点
【監督】Jean Becker ジャン・ベッケル
【脚本・台詞】Sebastien Japrisot セバスチャン・ジャプリゾ
【原作】ジョルジュ・モンフレ
【撮影】Jean-Marie Dreujou ジャン＝マリー・ドルージュ
【音楽】Pierre Bachelet ピエール・バシュレ （『エマニエル夫人』の音楽を担当しています）
【出演】
Jacques Gamblin ジャック・ガンブラン（ガリス役）（今村昌平監督の『カンゾー先生』にも出演しています）、
Jacques Villeret ジャック・ヴィユレ（クリクリの父 リトン役）、
Marlene Baffier マルレーヌ・バフィエ（クリクリ役）、
Isabelle Carre イザベル・カレ（メイド マリー役）、
Andre Dussollier アンドレ・デュソリエ（アメデ役）、
Michel Serrault ミシェル・セロー（かえる釣り名人 ペペ役）、
Eric Cantona エリック・カントナ（ボクサー ジョー・サルディ役）、
Suzanne Flon シュザンヌ・フロン（老後のクリクリ役）
【上映時間】１時間５５分
【原題】LES ENFANS DU MARAIS
【製作年】１９９９年
【製作国】フランス
