夢 「黒澤明の夢」を描いたオムニバス。非現実の世界だから、映像は幻想的である。ただ、オムニバスとは言え、中途半端である。確かに「夢」らしいと言えば、それまでだが。
【第１話・日照り雨 SUNSHINE THROUGH THE RAIN】
【出演】
中野聡彦（なかの としひこ）（幼い少年の私役）、
倍賞美津子（私の母役）、
菊の会のメンバー（狐の嫁入りの集団役）
日照り雨が降る、下草に笹が生えている針葉樹林の中で、幼い少年が見てはいけない狐の嫁入りを見る。
母に、「狐から短刀をもらった。これで腹を切れと。謝って来い。虹のたもとにいるから。」と言われ、山麓のお花畑を進む。それだけ。【第２話・桃畑 THE PEACH ORCHARD】
【出演】
伊崎充則（いさき みつのり）（少年の私役）、
建みさと（桃の精役）、
鈴木美恵（姉役）、
二十騎の会のメンバー（雛人形達の役）
ひな祭りの頃。５人しか姉の友達が家にいないのに、６人いたという少年。その一人に導かれ、家を出て、竹林に誘われる。少年の家族が桃畑の桃を全て切ったと少年に怒る雛人形の集団。
少年は悪くないと、雛人形たちが踊り、桃畑の花を見せる。でもそれは幻。
雛人形の着物は綿を詰めているようで安っぽかった。【第３話・雪あらし THE BLIZZARD...】
【出演】
寺尾聰（私役）、
原田美枝子（雪女役）、
油井昌由樹、中島しゅう、木村栄（以上パーティの仲間役）
ホワイトアウトの雪山。ザイルでつながれて疲労困憊して歩いている。雪崩も起きる。
力尽きて倒れこむ。そこに雪女が現れる。
天気が回復し、雪稜が見える。テントは目の前。
ラッセルしているが雪は作り物。ビーズのようであった。【第４話・トンネル THE TUNNEL】
【出演】
寺尾聰（私役）、
頭師佳孝（ずし よしたか）（野口一等兵役）、
山下哲生（少尉役）、
二十騎の会のメンバー（第三小隊役）
兵士が歩いて山間のトンネルに入っていく。
戦争で死んだ自分の小隊の兵士が成仏しないで現れる。【第５話・鴉 CROWS】
【出演】
寺尾聰（私役）、
Martin Scorsese マーティン・スコセッシ（ゴッホ役）
ゴッホと会う。ゴッホの絵の中を歩く。そんな映像が楽しめます。北海道の女満別でロケが行われたそうです。【第６話・赤冨士 MOUNT FUJI IN RED】
【出演】
寺尾聰（私役）、
井川比佐志（発電所の男役）、
根岸季衣（ねぎし としえ）（子供を抱えた女役）
富士山の裏の原子力発電所６基が爆発。安全なはずの原発が・・・【第７話・鬼哭 THE WEEPING DEMON】
【出演】
寺尾聰（私役）、
いかりや長介（鬼役）、
二十騎の会のメンバー（鬼達の役）
水爆によって死の灰をかぶった地面から巨大タンポポが咲いた。そして一角鬼。【第８話・水車のある村 VILLAGE OF THE WATERMILLS】
【出演】
寺尾聰（私役）、
笠智衆（老人役）
水が流れ、いくつもの水車が回り、川辺には花が咲く水車村。
ロケ地は信州安曇野、犀（さい）川の上流、蓼（たて）川と万水（よろずい）川が並行して流れている場所です。
自然賛歌というか、文明批判を説教臭く言い連ねる。
そしてにぎやかな葬式。評価：４７点
【監督・脚本・編集】黒澤明
【製作】黒澤久雄、井上芳男 Mike Y. Inoue
【製作総指揮】Steven Spielberg スティーヴン・スピルバーグ
【撮影】斎藤孝雄、上田正治
【特撮】ILM
【音楽】池辺晋一郎
【挿入曲】イポリトフ・イワノフ 「村にて」組曲「コーカサスの風景」より
【指揮】ウラジミール・フェドセーエル
【演奏】モスクワ・ラジオ・シンフォニー・オーケストラ
【衣裳】ワダエミ
【助監督】小泉堯史（たかし）
『阿弥陀堂だより』の監督・脚本をした人です。
【山岳アドバイザー】神崎忠男
【製作国】日本、アメリカ
【製作】黒澤プロダクション
【配給】ワーナーブラザース
【上映時間】２時間１分
【英題】Akira Kurosawa's DREAMS
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