ニューヨークが津波に飲み込まれるところから盛り上がりますが、このシーンが最大の見せ場であり、それ以上のものはありませんでした。ストーリーも平凡に感じました。
冒頭は南極のラルセンＢ棚氷(B ice shelf)でのシーンから始まります。突然、雪面が割れ、陥没します。割れたクレバスを飛び越えるシーンは、『バーティカル・リミット』のよう。そのクレバスに落ちそうになったときに、アイスバイルを打ち込み、かろうじて踏ん張り、「ファイト！一発」のノリで救助されます。アイスバイルはグリベル製だったような気がしましたが、映画館で観たのでじっくり確認のしようがありません。７年後、ＴＶ放映したときに録画したものを確認したら、シャルレ製でした。シャルレと言えば「クォーク」を思い浮かべますが、このときのものは柄がほぼ真っ直ぐの小型のアイスハンマーでした。
次に、ニューデリーでの地球温暖化国連会議(UN Conference on Global Warming)のシーンとなります。１万年前の気候変動について発表がされます。氷のサンプルに高濃度の温室効果ガスが含まれ、急速な気温の上昇で地球が氷河期に突入し２世紀続いたことがわかったというものです。温暖化が気温の低下を招くという解説です。寒い冬も地球温暖化によると言われると妙に納得してしまいます。日本の「四季」は「二季」になった、なんて世間話もしたことがあります。気候バランスが崩れて海流や気流の流れが変わって逆に寒くなる地域もあるということでしょう。映画では、京都議定書の話題も出ていました。
父が息子を助けにニューヨークに向かうときにはスノーシューをはいています。３人がコンティニュアスで歩きますが、建物の天井から一人が落ちて宙吊りになります。そして、重みで天井の窓が割れそうになり、ザイルを切断して自ら死を選び、仲間を助けるシーンも、『バーティカル・リミット』冒頭のザイル切断シーンと重なります。椅子の背をスノーシュー代わりにして使用するシーンもありました。
父親がニューヨークに取り残された息子を助けに行くという全体的な話の流れも『バーティカル・リミット』に似ていると言えなくもありません。
気になったのは、自由の女神にできる「エビのしっぽ」。エビのしっぽは風上にできるが、風下にできていたような気がしないでもありません。何気なく見ていたので気のせいかもしれないが、もう一度見たら確認してみたいところです。→７年後に確認できました。やはり、風下にできていました。明らかな間違いですね。ただ、映画上、自然に見えるように、あえてそうしたのかもしれませんが。
評価：６３点
【監督・原作】Roland Emmerich ローランド・エメリッヒ
『インデペンデンス・デイ』の監督です。なんとなくその雰囲気もあります。
【脚本】Roland Emmerich ローランド・エメリッヒ、Jeffrey Nachmanoff ジェフリー・ナクマノフ
【撮影】Ueli Steiger ユーリ・ステイガー
【音楽】Harald Kloser ハラルド・クローサー
【出演】
Dennis Quaid デニス・クエイド（古代気象学者ジャック・ホール役）（兄のランディ・クエイドは『ブロークバック・マウンテン』で牧場主役を演じています）、
Jake Gyllenhaal ジェイク・ギレンホール（ジャックの息子サム・ホール役）（『ブロークバック・マウンテン』ではジャック・ツイスト役を演じています）、
Ian Holm イアン・ホルム（ラプソン教授役）、
Emmy Rossum エミー・ロッサム（サムのガールフレンド ローラ役）、
Jay O. Sanders ジェイ・Ｏ・サンダース（南極基地のフランク役）、
Sela Ward セラ・ウォード（ルーシー・ホール役）、
Tamlyn Tomita タムリン・トミタ（ジャネット役）、
Austin Nichols オースティン・ニコルズ（Ｊ・Ｄ役）、
Dash Mihok ダッシュ・ミホーク（南極で氷を掘削するジェイソン役）、
Kenneth Welsh ケネス・ウェルシュ（ベッカー副大統領役）、
Nestor Serrano ネスター・セラーノ（トム・ゴメス役）、
Perry King ペリー・キング（ブレイク大統領役）
【製作国】アメリカ
【原題】THE DAY AFTER TOMORROW
【上映時間】２時間４分
２００４年作品
http://www.foxjapan.com/movies/dayaftertomorrow/
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「デイ・アフター・トゥモロー」(DVD、Blu-ray)
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