ダム・オブ・フラッド ドイツのテレビ映画です。題名からダム決壊を描いていることは想像できます。でも迫力はそれほどありません。ハリウッド映画ではないのですから、それを期待するのは的はずれというべきかもしれません。とは言うものの、そこそこの緊迫感は味わえました。
なぜ決壊するのか、というところがこの映画のポイントでしょう。映画を観ている間は、決壊の危機が迫る中、それを食い止めることができるか、というストーリーも頭に浮かびますが、決壊しなかったら、映画としての迫力に欠けてしまうでしょうから、それはないだろうと想像しました。また、ダム自体はそれほど立派なものではなく、どこにでもありそうな感じに見えました。
邦題『ダム・オブ・フラッド』のフラッド(flood)とは、「洪水」とか「大水」という意味です。英題の、"DAM OF FEAR" の FEAR は、「恐れ」とか「心配」という意味です。原題の "Die Todeswelle - Eine Stadt in Angst" とは、「大波 - 恐怖の町」というような意味でしょうか。
ダム建設時に沈んだ町とそのときの対立のエピソードなど、どこのダムでも似たような経緯があるのでしょう。山に行くとよくダムを見ますが、そんなダムを見ると格好いいダムの容姿やダム湖の穏やかな湖面の美しさとは対照的にそんな過去を思うこともありますが、複雑な気持ちになります。
残念ながら自然の景観はあまり出てきません。湖面で釣りをするシーンもありますが、夜釣りですし、だいたいこの映画には明るい風景など似合わないのかもしれません。アウトドア用のコンロで一服するシーンがあった程度です。
邦題が『フラッド』という映画もあります。これはアメリカ映画で、原題は、"HARD RAIN"です。これは、町中が大水になり、そこに犯罪がからむクライムアクションですが、ダムの放水が重要なアイテムとして登場します。クリスチャン・スレイター、モーガン・フリーマン、ミニー・ドライヴァー、ランディ・クエイド等、そうそうたる俳優陣だけあってか、それなりに楽しめます。
評価：５５点
【監督】Frederik Steiner フレデリック・ステイナー
【脚本】Holger Karsten Schmidt ホルガー・カーステン・シュミット
【撮影】Jiri Machane ジリ・マカネ
【音楽】Wolf Wolff
【出演】
Jochen Horst ヨハン・ホルスト（ヘレンベルクという田舎町でダムの安全管理責任者を始める スヴェン・トッド Sven Todt役）、
Doris Schretzmayer ドリス・シュレッツマイヤー（地方紙の編集長 クラウディア・フェルバー Claudia役）、
Horst Kotterba ホルスト・コッテルバ（駅でトッドを迎えるダム建設会社員 ヘルベルト・ショウラウ Herbert Schorlau役）、
Wilfried Hochholdinger、
Hubert Mulzer ヒューベルト・ムルツァー（ダム建設会社の経営者 ゾンネマン Ernst Sonnemann役）、
Dieter Okras（警官のブルーン Bruhn役）、
Anouschka Renzi（Marie マリー役）
【製作国】ドイツ
【上映時間】１時間３１分
【原題】Die Todeswelle - Eine Stadt in Angst
【英題】DAM OF FEAR
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