クリフハンガー

 真っ赤な発炎筒を焚いて岩の上で救助を求める男女二人組のシーンから始まります。救助ヘリを操縦するジェシー(ジャニン・ターナー)からゲイブ(シルベスター・スタローン)へ無線連絡します。舞台はロッキー山脈です。ゲイブはルーフに片手でぶら下がり手を振ります。ゲイブも救助隊員で、その岩を登り上にいる遭難者のところへ行きます。ゲイブの相棒であるハル(マイケル・ルーカー)が膝を脱臼しているようです。一緒にいるのはその恋人のサラ(ミシェル・ジョイナー)です。ロープで吊り上げるのかと思ったら、隣の岩頭にヘリが着陸し、ロープを渡して滑車でそのロープを伝って行くのでした。まずは怪我をしているハルから。カラビナでバックアップはとっていますが、ロープを伝うのは素手でした。サラはグローブをしていましたが。それにほとんど傾斜がなく水平でないとできないでしょうけど、多少たるみがあることを考えると実用的ではなさそうです。ところが、サラが移動中バックルが割れてベルトがほどけてしまいます。手でぶら下がるサラを救助に向かうゲイブ。間一髪で手が届きますが・・・

 舞台は8ヶ月後、コロラド州デンバーの財務省造幣局。1億ドルを飛行機で輸送することになっています。ロッキー山脈上で、ハイジャックされますが、1億ドルは山中に落下し、犯罪集団の飛行機も不時着します。救助を呼びますが、悪天候でヘリは飛ばず、ハルが向かいます。そして山から遠ざかっていたゲイブも合流します。犯罪集団と合流し、1億ドルの捜索を手伝わされることになります。

 緊迫感が続き、飽きさせません。舞台もロッキーの雪山で本格的に見えます。クライミングシーンもふんだんにあります。ただ、雑なところもあります。岩場の岩に弾力性があったりして、セットだということがわかってしまうシーンもあり、興醒めしてしまいます。クライミングシーンはなかなかで、形にはなっていますが、やはり現実離れしたようなシーンがあります。クライミングのスタントとしては、ロン・カウクやヴォルフガング・ギュリッヒらトップクライマーがやっているそうなので、動きが本物なのは納得です。ヴォルフガング・ギュリッヒは撮影終了後、交通事故で亡くなってしまいました。映画の良い悪いは別にしても、山岳アクション映画の定番として、一度は見ておくべき映画には違いありません。

 ロケ地は、コロラド州ドゥランゴや、イタリアのドロミテでも行われたようです。

評価:72点

【監督・製作】Renny Harlin レニー・ハーリン
【脚本】Michael France マイケル・フランス、Sylvester Stallone シルヴェスター・スタローン
【原案】John Long ジョン・ロング
【撮影】Alex Thomson アレックス・トムソン
【音楽】Trevor Jones トレヴァー・ジョーンズ
 『亡国のイージス』などの音楽も担当しています。
【出演】
 Sylvester Stallone シルベスター・スタローン(救助隊員 ゲイブ・ウォーカー役)、
 John Lithgow ジョン・リスゴー(犯罪集団ボス エリック・クエイルン役)、
 Michael Rooker マイケル・ルーカー(ゲイブの相棒で膝を脱臼して救助されるハル・タッカー役)、
 Janine Turner ジャニン・ターナー(ヘリを操縦する救助隊員でゲイブの恋人 ジェシー・ディーガン役)、
 Rex Linn レックス・リン(財務省の裏切り者 リチャード・トラバース役)、
 Caroline Goodall キャロライン・グッドオール(犯罪集団パイロット クリステル役)、
 Ralph Waite ラルフ・ウェイト(ヘリに乗っている救助隊員 フランク役)、
 Michelle Joyner ミシェル・ジョイナー(ハルと一緒にクライミングする恋人のサラ役)、
 Paul Winfield ポール・ウィンフィールド(財務省高官 ウォルター・ライト役)、
 Leon レオン(キネット役)、
 Max Perlich マックス・パーリック(エヴァン役)

【上映時間】1時間53分
【製作年】1993年
【製作国】アメリカ
【原題】CLIFFHANGER

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