セントラル・ステーション

　途中まではリオ・デ・ジャネイロの街中で話が進みます。母子が駅で夫宛に手紙の代書を頼みますが、その直後交通事故で母が亡くなってしまいます。取り残された男の子ジョズエは、代書業をしていた女性ドーラに連れられていきますが、一旦、ドーラはその子供を売ってお金に換えてしまいます。しかし、ドーラの友人から、「後悔するよ」と、助言されて、子供を取り返します。そして父を訪ねてのロードムービーとなります。

　その途上、背景には岩山が何度も映ります。中にはかなり奇形の岩山が映ったりします。途中で荒野の中の岩山に登るシーンもあります。もっともクライミングではなく、道中の休憩に歩いて登れる程度の岩山ですが。

　ロードムービーというのは、ラストがどんな形であろうと、ほとんどがいい映画になってしまうような気がします。だから、「ロードムービー」という一つのジャンルとして定着もしているのでしょう。この映画も、もうラストなんてどうであろうと、途中で、いい映画だなあ、と思えてしまいます。もっとも、ラストもなかなかいい感じの終わり方でした。それに、旅する二人の描写もきちんとしています。利発な子供と、すれた大人の女性。しかし、お互いに温かい心をちらっとのぞかせたりします。

　監督のヴァルテル・サレス（ウォルター・サレス）は、６年後、『仄暗い水の底から』のハリウッド・リメイク版『ダーク・ウォーター』も監督しています。

評価：６７点

【監督】Walter Salles ヴァルテル・サレス
【脚本】Joao Emanuel Carneiro ホアオ・エマヌエル・カルネイロ、Marcos Bernstein マルコス・ベルンステイン
【撮影】Walter Carvalho ヴァルテル・カルヴァーリョ
【音楽】Antonio Pinto アントニオ・ピント、Jaques Morelembaum ジャック・モレレンバウム
【出演】
　Fernanda Montenegro フェルナンダ・モンテネグロ（代書業を営む Dora ドーラ役）、
　Vinicius de Oliveira ヴィニシウス・デ・オリヴェイラ（母を亡くした Josue ジョズエ役）、
　Marilia Pera マリリア・ペーラ（ドーラの友人 Irene イレーニ役）、
　Soia Lira ソイア・ライラ（ジョズエの母 Ana アンナ役）、
　Othon Bastos オトン・バストス（トラック運転手 Cesar セザール役）、
　Otavio Augusto オタヴィオ・アウグスト（Pedrao役）

【上映時間】１時間５１分
【製作国】ブラジル
【原題】CENTRAL DO BRASIL
【公開】１９９８年

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