宮崎アニメと言えば、元気な少女と飛行機が定番。クラリスは一見か弱い王女というイメージだが、映画の冒頭ではカーチェイスを演じている。飛行機はカリオストロ伯爵のオートジャイロがしっかり登場している。
舞台はカリオストロ公国。背後のアルプスのような山岳風景からモデルとしてはスイスとオーストリアの間にあるリヒテンシュタイン公国だろうか。それともフランスとスペインの間にあるアンドラ公国だろうか。
映画の冒頭からひきつけられる。カジノから大金を盗み逃走、ところがそれがゴート札というニセ札であることがわかる。ニセ札は捨て、ゴート札を作っているというカリオストロ公国に潜り込むことに成功。そこでクラリスのカーチェイスに遭遇。わくわくする展開である。
クラリスのために峰不二子の存在感が小さくなってしまっているのは少し残念ではあるが、クラリスの清純なイメージの前では仕方ないのかもしれない。少女の頃のクラリスが瀕死のルパンを助けるシーンでは涙腺も緩んでしまう。
この映画を最初に観たのは名古屋の映画館。『Ｍｒ．ＢＯＯギャンブル大将』と同時上映だった。中学１年の頃で、東映まんが祭りや『ゴジラ』シリーズ以外の映画を観始めて間もない頃だった。友人と観に行った映画では２つ目だったと思う。ちなみに１つ目は『銀河鉄道９９９』。
その他、道路沿いのお花畑、カーチェイスのときの車での藪漕ぎ？、大公の娘クラリスのいるところまでルパンが城壁をクライミングするシーンなどもありました。なぜか車での藪漕ぎのシーンが好き。
評価：７５点
【監督】宮崎駿
【脚本】宮崎駿、山崎晴哉
【原作】モンキー・パンチ
【撮影】高橋宏固
【音楽】大野雄二
【主題歌】「炎のたからもの」（作詞：橋本淳、作曲：大野雄二、歌：ボビー）
【声】
山田康雄（ルパン三世）、
島本須美（クラリス）、
納谷悟郎（銭形警部）、
石田太郎（カリオストロ伯爵）、
小林清志（次元大介）、
増山江威子（峰不二子）、
井上真樹夫（石川五右ヱ門）、
宮内幸平（園丁（元庭師の廃墟の老人））、
永井一郎（ジョドー）、
山岡葉子（ウェイトレス）、
常泉忠通（カリオストロ公国衛士隊長グスタフ）、
梓欽造（大司教）、
平林尚三（国際警察長官）、
寺島幹夫（ドイツ代表）、
野島昭生（日本代表）、
鎌田順吉（ソ連代表）、
阪脩（イギリス代表）、
松岡重治（指揮官）
【上映時間】１時間４０分
【製作】東京ムービー新社
【配給】東宝
１９７９年