弁護士で楽観的なテイラーと研究職で悲観的なハロルド。この組み合わせはいい。実際、よくあるのではないだろうか。思わず、私は間違いなく、ハロルドタイプだと思ってしまう。その二人がザイルを組んで、Ｋ２に向かうことになる。その前には岩場でのトレーニングもする。テイラーがベテランでハロルドが若手である。
二人でアルパインスタイルでＫ２に行くのかと思ったが、Ｋ２遠征隊に参加して、最終的に二人で山頂に向かうというストーリーになっています。そして下山時にハロルドが骨折し、ハロルドはテイラーが自分を見捨てらると思っていたのだが、テイラーは助けようとする。しかしこの展開はバレバレなのだ。もう少しうまい脚本だったらこの映画に対する評価も上がったのではないかと思うと残念である。もっとも評価が高くないのはこれだけでなく、ポーターとのやり取りが描かれていたりするのだが、これらのシーンもそれほど重要でないのだ。確かに知らない人に遠征とはこういうものだ、と説明するにはいいのかもしれないが、山に興味のある人にとっては、雑誌などに必ずといっていいほど描かれているので、既知のことなのである。
映像は綺麗である。実際にＫ２でロケをしたというから納得できる。ヒマラヤの山々が見られる。できれば映画館で観たかったと後悔してしまう。
藤岡弘もキャストに名を連ねている。セリフは多くないが、そこそこ重要な人物の役である。ハロルドとテイラーがＫ２のテントで待機している中、一人アタックから戻ってきて状況を伝え息絶える。
ちなみに劇場公開時の邦題は『Ｋ２ ハロルドとテイラー』で、ビデオで『Ｋ２ 愛と友情のザイル』となったようです。
評価：６０点
【監督】Franc Roddam フランク・ロッダム
【脚本】パトリック・マイヤーズ 、Scott Roberts スコット・ロバーツ
【撮影】Gabriel Beristain ガブリエル・ベリスタイン
【出演】
Michael Biehn マイケル・ビーン、
Matt Craven マット・クレイヴン、
Patricia Charbonneau パトリシア・シャーボノー、
藤岡弘（Ｋ２メンバー シミズ・タカネ役）、
Raymond J. Barry レイモンド・Ｊ・バリー、
Luca Bercovici ルカ・ベルコヴィッチ、
Julia Nickson-Soul ジュリア・ニクソン＝ソウル、
Jamal Shah ジャマル・シャー
【製作国】アメリカ
【上映時間】１時間５１分
【原題】K2
１９９１年作品（『Ｋ２ ハロルドとテイラー』）